有利な制度なのに知名度が低い「個人型確定拠出年金(iDeCo)」
金融領域の投資などを手がけている「VOYAGE GROUP」が、「確定拠出年金に対する実態調査」の結果を公開しています。
全国の20代~50代の一般消費者1,000人を対象とした調査で、特に確定拠出年金制度の知名度について面白いデータが出ています。
確定拠出年金制度の知名度は低い
よく知られている「ふるさと納税」や「NISA」などのキーワードと並べて、確定拠出年金制度のいろいろな呼び方の知名度を調べています。
ふるさと納税やNISAの知名度が5割から7割なのに対して、確定拠出年金制度の名称は知名度が低いことが分かります。
一番知名度の高い「個人型確定拠出年金」でも4割がやっとで、「iDeCo(イデコ)」という愛称や、「日本版401k」などの別名では2割以下となっています。
特徴を「初めて知った」人が5割を超える
確定拠出年金制度の特徴についての理解度を聞いています。
ほとんどの項目で、「今、初めて知った」という回答が5割を超えており、特徴が知られていないことが分かります。
加入している人は1割以下
「個人型確定拠出年金へ加入したいと思いますか」という質問に対して、「わからない」という回答が一番多くなっています。
次は「加入したくない・できない」でした。
この2つを合わせると7割近くになります。
一方、確定拠出年金に対して前向きで、「詳しい情報を知り、加入したい」という人は2割でした。
「既に加入している」「加入のための手続きを開始している」と合わせても、個人型確定拠出年金に対して、前向きな姿勢の人は全体の3割に留まっています。
難しいところもあるが有利な制度
確定拠出年金は、国の年金制度の1つです。
一言で言うと、自分で積み立てたお金を、自分で運用し、60歳以降に年金として受け取れる制度です。
2017年1月の改定で、20歳以上のほとんどの人が加入できるようになりました。
最大の特徴は、積み立てたお金や、運用による利益は、所得税から控除され税金がかからないことです。
ただし、「運用方法を指図する必要がある」「少なくとも60歳までは引き出せない」という制限があり、説明されないと理解しにくい制度でもあります。
しかし、国が税金面で優遇しているため、自分の年金を補うための制度としては、現時点でもっとも有利な制度です。
将来の不安のために積み立てを検討している人は、検討対象に入れておきましょう。