その会社が、厚生年金に加入していることが確認できるサイト

[2017/8/24 00:00]

厚生年金保険に加入していたハズなのに!?

自分の誕生日のある月に、日本年金機構から「ねんきん定期便」が送られてきます。

いつもは、ハガキ1枚の簡単な内容ですが、35歳と45歳の節目には、封書が送られてきます。

封書の場合は、情報量が多く、「これまでの年金加入履歴」「厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」「国民年金保険料の納付状況」などが記されています。

ここで問題になるのが、「厚生年金保険」の記録です。

転職の多い人の場合、「この時期はあの会社に勤めていたので、厚生年金に入っていたはずなのに加入の記録がない」ということが良くあるのです。

義務はあっても逃れている会社が多かった

法人登記されていて、常時従業員を雇用している会社ならば、厚生年金保険と健康保険(いわゆる社保)に加入する義務があります。

また、個人事業所の場合も、常時5人以上の従業員がいる場合は、一部の例外を除いて加入の義務があります。

しかし、ほんの数年前までは、小規模の会社では、加入していない例が珍しくありませんでした。

厚生年金保険の場合、従業員と雇用している会社が保険料を折半します。つまり、保険料の半額を会社が負担するのが重荷なので、加入していなかったのです。

また、厚生年金保険に加入すると、事務手続きが増えるので、それを嫌っている例もあります。

というわけで、小さい会社を渡り歩いているようなキャリアの人は、ある会社では厚生年金に加入しており、次の会社では未加入ということが、ままあることだったのです。

とりあえず探してみる

出典:日本年金機構

こういうときのために、日本年金機構では「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」というページを公開しています。

つまり、厚生年金に加入している法人を検索できるページです。

ここで会社名や法人番号を入力すれば、その法人が厚生年金に加入しているかどうかが分かります。
社名で検索できない場合でも、国税庁の「法人番号公表サイト」で法人番号を探して、その番号で検索すると見つかることがあります。

ここで検索できるのは、現在も存続している「現存事業所」と、過去2年以内に無くなってしまった法人に限られています。

2年以上前に無くなってしまった法人は検索できませんので、注意してください。

自分が働いていた会社が、厚生年金に加入していることがわかれば、自分の年金記録が漏れている可能性があります。

その場合は、ねんきん定期便に書かれている手続きに従って、「ねんきんネット」に加入し、より詳しい検索と訂正の申請をしましょう。

ねんきんネットでは、2年以上前に無くなった会社の記録も検索できます。

また、35歳や45歳以外の人が、自分の年金記録を確認する場合も「ねんきんネット」でできます。

職探しのときの下調べにも使える

「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」の別の使い方として、職探しの時の会社の下調べに使えます。

ここ数年、厚生年金に未加入の法人に対するチェックが厳しくなっています。

また、公共事業への入札や補助金の申請の際に厚生年金への加入が必要条件であることが増えました。そのため、仕方なく加入する会社が増えています。

しかし、小規模の会社の場合、依然として厚生年金に加入していない例があります。

さきほど述べたように、厚生年金へ加入していない理由は、「経費がもったいない」か「事務手続きが面倒」です。

これから入社する会社が、そういう方針で会社を運営しているということは望ましいことではありません。

履歴書を用意する前に検索して、厚生年金に加入していることを確認しておきましょう。

[シニアガイド編集部]