1カ月だけでも加入していれば貰える「厚生年金基金」の確認方法
企業年金の書類は埋もれやすい
あなたは、自分がどんな年金に入っているか、すぐに答えられますか。
「年金手帳」さえ持っていれば、基本となる「国民年金」や「厚生年金」については、継続して管理されています。
しかし、その会社ごとに制度が異なる企業年金については忘れられがちです。
ここでは、請求漏れが多い「厚生年金基金」について、自分の加入履歴を確認するための方法を紹介します。
忘れられがちな「厚生年金基金」から調べよう
「厚生年金基金」は、「基礎年金」や「厚生年金」に上乗せするための企業年金です。
自分の分の掛金を積み立てて置くと、60~65歳から終身で年金が支給されます。
厚生年金基金は、それなりに経費のかかる制度なので、実施しているのは、大企業や、その関連企業が中心です。しかし、一時は流行した制度なので、そこそこの会社であれば調べてみる価値があります。
そして、「厚生年金基金」は忘れられやすい制度です。
2015年度末の時点で、厚生年金基金を貰う資格があるのに、請求を忘れている人が4.6万人もいます。
1カ月から貰える「厚生年金基金」について調べよう
厚生年金基金への加入は会社単位なので、制度がある会社に1カ月以上勤めていれば、厚生年金基金に加入したことになります。
そして、たった1カ月加入していただけでも年金が貰えます。
国の年金のように、最低10年は払わないと貰えないという制限がありません。
もちろん、大きな金額ではありませんが、加入記録が見つかれば、必ず見返りがあるのです。
会社と基金が存続している場合は、会社に問い合わせる
「厚生年金基金」は、基本的には、1つの企業、企業グループ、業種ごとに1つの基金があります。
例えば、自分が勤めていたのがトヨタなら「トヨタ自動車企業年金基金」が、パナソニックなら「パナソニック企業年金基金」が、年金記録の管理と、年金の支給を行なっています。
つまり、自分の勤めていた会社が残っていて、企業年金基金も残っている場合は、勤めていた会社の総務部門に問い合わせをすれば記録が確認できます。
勤続年数が短い場合は「企業年金連合会」に移されている
しかし、あなたの勤続年数が短い場合は、別の方法が必要です。
基本的に、勤続年数が10年に満たない場合は、加入していた厚生年金基金を「企業年金連合会」という団体が引き継ぐことになっています。
また、経済状況の悪化に伴って解散する基金が増えています。厚労省も解散を勧めていますので、これからも増えるでしょう。
その場合も、記録の管理と支給は「企業年金連合会」が、引き継ぎます。
「企業年金連合会」ならWebで確認できる
自分の厚生年金基金の記録が、企業年金連合会に引き継がれている場合は、どうやって調べれば良いのでしょう。
企業年金連合会のWebサイトには「企業年金記録確認サービス」というページが用意されており、ここで申し込みをすることができます。
ここでできるのは、記録があるかないかの確認だけで、詳細なデータについては郵送になります。
検索にあたっては、氏名や生年月日のほか、「基礎年金番号」が必要となります。あらかじめ「年金手帳」や「ねんきん定期便」などで、確認しておきましょう。
検索の結果、記録が残っていた場合は、必要な書類を再発行して郵送してくれます。これらの書類に、年金の支給開始年齢や、支給金額などが記されています。
この書類が無事に届くようであれば、厚生年金基金が支給される時期に、必要な書類が送付されてきます。
本人が死亡していても、遺族が受け取れる
厚生年金基金の加入者本人が、亡くなっていた場合は、遺族に未支給年金が支給されます。
また、60歳以前に亡くなっていた場合でも、「死亡一時金」が支給される場合があります。
故人の基礎年金番号が分かれば、調べることができますから、確認してみましょう。
なお、ここで説明した内容は、分かりやすくするために、かなり省略した部分があります。
詳細については、加入していた厚生年金基金、または企業年金連合会の相談窓口で確認してください。