23区内の賃貸住宅の19%は経営が困難な状況

[2017/9/4 00:00]

不動産評価Webサイトを運営するタスが、東京都23区内の賃貸住宅の19%が、経営が困難になっている可能性があると分析しています。

これは、「首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2017年8月」というレポートで公開されたものです。

タスでは、現在流通している賃貸住宅のうち、経営難等の理由によりサブリース業者や管理会社、不動産会社の顧客では無くなったオーナーの物件データなどを基に、「経営難等物件」のデータをを推計しました。

その結果、東京23区の賃貸住宅の19%が「経営難等物件」であると推定しています。

出典:タス

さらに、空室に限ると、その61%が「経営難等物件」となっていると推定されます。

このことから、いったん「経営難等物件」になると、再び入居者が入る状況に戻ることが困難であると推定されます。

出典:タス

タスでは「2025年以降は首都圏においても世帯数の減少が始まりますから、【経営難等物件】が増加することが考えられます。今後は、いかにテナントを長期定着させるかが、賃貸住宅の安定経営の鍵となるでしょう 」とコメントしています。

他の地域に比べれば、比較的状況が良い東京23区内の賃貸住宅においても、経営が困難になっている物件が2割近いという分析は、相続税対策などで賃貸住宅を建てることを検討するときの判断材料となるでしょう。

一方、賃貸住宅の入居が難しい高齢者層にとっては、空室が増えることによって入居しやすい状況になる可能性があります。

[シニアガイド編集部]