セカンドオピニオンを受けた人の76%は「やって良かった」と思っている
セカンドオピニオンに関するアンケート
がん治療の方針を定める前に、主治医とは別の医師に診断してもらうことを「セカンドオピニオン」と呼びます。
セカンドオピニオンは、主治医からの診断が出た後で、検査結果や紹介状などの「診療情報提供書」を提供してもらい、主治医以外の医師に診断を仰ぎます。
セカンドオピニオンは、現在ある画像を元に診断するもので、治療方針をチェックしてもらうことが主な目的です。
セカンドオピニオン紹介サービスの「セカンドオピニオンアドバイザー」が、セカンドオピニオンに関するアンケート結果を公開しています。
実際にセカンドオピニオンを受けた人の感想も含めて、内容を紹介します。
70%近くの人は、身近にガン経験者がいる
アンケートは40歳以上の男女500人を対象に、2017年8月にインターネット上で行なわれました。
500人のうち70%近くの人は、「自分または知り合いに、ガンの経験がある」と回答しています。
特に「家族」がガンだった経験がある人が多く、28%もいます。
セカンドオピニオンを利用した人は13%
自分または知り合いにガン経験がある人に限定して、「セカンドオピニオンの利用」について聞いています。
「利用しなかった」が一番多く、50%を超えています。
実際にセカンドオピニオンを利用した人は、13%に留まっています。
セカンドオピニオン先の探し方
セカンドオピニオンを利用した人は、どうやって相談先を探したのでしょう。
回答を多い順に並べてみると、クチコミやインターネット/雑誌が多いようです。
- 家族、友人、知人に聞いた
- インターネットや雑誌で探した
- 主治医に探してもらった
- 懇意な医師に探してもらった
- 市町村の窓口に相談した
- 保険会社の制度を利用した
利用して良かったと思っている人が多い
セカンドオピニオンの利用者に限定して、利用した感想を聞いています。
76%の人は「利用して良かった」としており、「利用しないほうが良かった」という人は2%に留まっています。
母数が小さいことは考慮しなければいけませんが、セカンドオピニオンを受けたことに対して「
良かった」という感想を持っている人が多いと言えます。
診断に「納得」するための有効な手段
では、実際にセカンドオピニオンを利用した人はどんな感想を持っているのでしょう。
まず、「利用して良かった」という人です。
- より良い治療法が見つかった
- 自分が納得できる治療を受けることができた
- 安心して治療に臨めた
- 間違った診断ではなかったと納得できたから
- セカンドオピニオンの内容は結局、主治医の診断と治療方針と同じだったが、その正しさの裏付けを得たことができたので安心して治療に進むことができた。
次に、「利用しない方が良かった」という人です。
- 結果として治療方法に変化がなかったため
- 転院しなければならなくなった
両方の意見を見ると、主治医とセカンドオピニオンの診断や治療方針が同じだったことを、「良かった」と受け止めている人と、「無駄だった」と感じている人に分かれています。
しかし、セカンドオピニオンの本来の趣旨からすれば、主治医の診断とセカンドオピニオンの診断が同じであることは、悪いことではありません。同じ診断や治療方針が説明された場合でも、病気に対する理解が深まるからです。
「間違った診断ではなかったと納得できた」と受け止めた人の方が、セカンドオピニオンをうまく利用したと言えるでしょう。
セカンドオピニオンは、ガンの治療にあたって、自分が「納得」するための有効な方法です。その意味と限界を知った上で、利用するかどうかを判断しましょう。