デビットカードで買い物をすると、離れた家族にメールが届く見守りサービス
第一弾は福島県の東邦銀行
クレジットカード会社のジェーシービー(JCB)が、「JCB見守りメール」サービスを開始しました。
「JCB見守りメール」は、JCBのデビットカードで買い物をすると、指定のメールアドレスへ「見守りメール」が送られるサービスです。
第一弾は、福島県の東邦銀行で発行される「東邦Alwaysデビットカード
現在は、提携先が限られていますが、将来的には広く普及する可能性を持ったサービスです。
移動スーパーでデビットカードを使えるようになる
今回のサービス開始では、単にデビットカードを発行するだけではなく、デビットカードの使い道として、移動スーパーの「とくし丸」が想定されています。
「とくし丸」は、地元のスーパーの商品を、自動車で移動販売する仕組みです。
今後、福島県に展開している地元スーパー「いちい」と提携している「とくし丸」について、東邦Alwaysデビットカードで買い物ができるようになります。
つまり、福島県内に在住している家族が、「とくし丸」で買い物をする際にデビットカードを使うと、そのつど指定のアドレスに見守りメールが届きます。
「とくし丸」は、週に2回のペースで巡回していますから、そのつど、家族が健康で買い物をしていることが分かります。
「とくし丸」の特徴と仕組み
今回、デビットカードの利用先として想定されている「とくし丸」は、「買い物難民」の解消手段として注目を集めている事業です。
この機会に、もう少しだけ「とくし丸」のシステムを紹介しましょう。
とくし丸は、日本全国のスーパーマーケットと提携し、「移動スーパーマーケット」の仕組みをフランチャイズ方式で提供しています。
とくし丸の主な利用顧客は、交通が不便で買い物に困っている地域です。
今回の「JCB見守りメール」サービスが付いたデビットカードを使う場所としては、非常に相性の良い事業と言えるでしょう。
とくし丸は、2016年に食品宅配を展開するオイシックスの子会社となりました。また、2017年秋からは「いなげや」や「コモディイイダ」と提携するなど、全国的に広がり始めています。
将来的には、他の地域にも、デビットカードをベースにした見守りシステムが広がることも期待できます。
とくし丸の販売パートナーは個人事業主で、専用の自動車を購入し、提携先のスーパーで商品を積んで、定期的に巡回販売をしています。
とくし丸の商品の販売価格は、スーパーの店頭価格に10円プラスした金額に設定されています。この10円分の利益は、販売パートナーとスーパーで5円ずつ分かち合っています。
この5円と商品の粗利の17%が、販売パートナーの利益となります。
買い物の交通手段に悩んでいる人、地域のスーパー、巡回販売を行なう個人事業主の3者のそれぞれにメリットがある、大変興味深いシステムと言えるでしょう。