ガンになると家計にも大きな影響が出る
ガンが家計に与える影響
ライフネット生命保険が、ガンを患った経験者に行なったアンケート結果から、ガンが家計に与える影響について紹介します。
このアンケートは、2017年6月にインターネット経由で行なわれました。
NPO法人キャンサーネットジャパンの協力により、ガンが分かった時点で働いていた572名が回答しています。
ガンに罹ったことによる影響が、リアルに分かる内容となっています。
ガンになると収入が減ってしまう
回答者の平均年収を、ガンになる前と、なった後で比べると、「415万円」から「332万円」へと、約20%減少しています。
さらに、雇用形態別で見ると収入の減少には、大きな差があります。
収入が減っている人の割合は、「公務員」や「正社員」では20%以下ですが、「派遣社員」では、倍の39%になっています。
正規雇用の人に比べて、非正規雇用の人は、ガンになったときの影響が大きいことが分かります。
収入が減少する3つの理由
収入が減少した理由の上位3つは、「休職」「業務量のセーブ」「退職」でした。
とくに「退職」してしまうと、収入が途切れてしまいます。
さらに、会社員が利用できる「傷病手当金」などの制度が利用できなくなってしまうことがあります。退職する前には、会社と相談するなど、よく調べて慎重に行動しましょう。
お金が無くて困るのは「医療費」と「生活費」
「収入が減って困ったこと」としては、「医療費」と「生活費」が多くなっています。
医療費は入院や手術が終わっても、抗ガン剤治療などの費用が、後々までかかる場合があります。
「高額療養費制度」は9割以上の人が利用している
ガンの治療にあたって、経済面で助けとなる公的制度は少なくありません。
特に「高額療養費制度」は、回答者の92%が利用しています。
「高額療養費制度」は、支払う医療費が下がり、支出が減るので、比較的利用しやすいのでしょう。あらかじめ「限度額適用認定証」を取っていれば、手続きも簡単です。
しかし、「医療費控除」を利用している人は58%に留まっています。
「医療費控除」は、所得税の一部が戻ってくる制度なので、もともとの収入が少なく、所得税を払っていないと利用できません。
また、確定申告に慣れていないために、申告を忘れてしまう人も多いでしょう。
せっかくの公的制度ですから、利用できるものはできるだけ利用できるように、調べておきましょう。