「豊洲」では出社する人が1割も減った「テレワーク・デイ」の効果
7月24日「テレワーク・デイ」の効果
総務省が、2017年7月24日に行なわれた「テレワーク・デイ」の効果について検証結果を公開しています。
テレワーク・デイは、2017年から始まった呼びかけで、7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、計900団体以上の6万人以上が参加して、在宅勤務などのテレワークを行ないました。
テレワーク・デイは、2020年東京オリンピック、パラリンピック競技大会の際に想定される交通混雑の緩和が目的の1つです。
「7月24日」という日程も、2020年にオリンピックの開会式に合わせて決められました。
今回の検証は、携帯電話利用者の位置情報等のモバイルビッグデータによる分析が行なわれました。
携帯電話会社のドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が、データ提供に協力しています。
豊洲では、出社数が1割も減った
「テレワーク・デイ」当日の人口変動を見てみましょう。
テレワーク・デイ当日の10時台に人口が減少した地域を、500m四方のメッシュ単位で比較しています。
平常の週と比べた減少数は大きい順に、「豊洲」「浜松町」「品川」でした。
これらの地域は、テレワーク・デイに参加した企業の本社所在地が多く、効果が大きかったのでしょう。
とくに「豊洲」周辺の1.5km四方では、最大約4,900人も人口が減少しています。これは、平常の週と比べて、1割も少ない数字です。
豊洲周辺には、2,950人が参加した「NTTデータ」と、1,722人が参加した「SCSK」があり、大企業がテレワークを行なうことの効果が現れています。
減少したのは「30代男性」
豊洲エリアで、減少した人の割合を年代別に見ると「20代女性」「40代女性」「50代男性」が大きく減っています。
また、居住地域別の減少率では「千葉県」と「神奈川県」が多くなっています。
23区内の広い範囲で効果が出た
テレワーク・デイに、出勤した人の率が5%以上減少した地域は広く、江東区、品川区、渋谷区、新宿区、中央区、千代田区、港区などに及びました。
参加人員が6万人規模と大きいため、本社所在地以外でも、広い範囲に効果が出ることが分かります。
メリットを生かすためにも継続を
テレワークは、インターネット技術を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。
勤務時間の自由度が高いテレワークは、介護、育児、病気からの回復期の勤務などに大きなメリットがあります。
今回のテレワーク・デイでは、1日限定で、在宅勤務、モバイルワークなどが試みられ、一定の効果があることが分かりました。
しかし、テレワークには、インフラの準備、勤務時間や成果の管理など、課題も少なくありません。
これが1日だけにとどまらず、継続的な社内制度として整備されていくことを期待しましょう。