民間の保険に入っている人は72%
9千人が回答した大規模な調査
厚生労働省が、「民間の医療保険や介護保険」についての調査結果を公開しています。
民間の保険とは、国民健康保険や介護保険などの公的な保険以外の、自分の意思で加入している保険会社が販売している保険商品を指します。
この調査は、無作為抽出した20歳以上の成人に、調査員が配布と回収を行ない、最終的に9,811人の有効回答を得ています。
単なるアンケートではなく、きちんとした方法による社会調査なので、信頼できる結果と言えるでしょう。
なお、本文中では、パーセント表記の数字は、小数点以下で四捨五入しています。
7割以上の人が民間の保険に入っている
民間の医療保険や介護保険に加入している人は「72%」でした。
加入してない人は「27%」で、3割を切っています。
なお、過去の調査結果を見ると、1998年は58%でした。その後も、民間保険への加入率は、徐々に上がってきています。
年齢別に見ると、30代から60代までの加入率が高く、70代以上になると大きく下がります。
介護保険に入っている人のほとんどは医療保険にも入っている
民間の保険に加入している人のうち、「医療保険のみに加入している」人は73%、「医療保険と介護保険の両方に加入している」人は26%、「介護保険のみに加入している人」は1%でした。
介護保険のみに入っている人は、ごく稀です。
「介護保険に入っている人のほとんどは医療保険にも入っている」と思って良いでしょう。
保険に入る理由は「自己負担分を補うため」
医療保険や介護保険に加入した理由は、主に2つあります。
一番多いのは「公的医療保険や公的介護保険の自己負担分を補うため」でした。
二番目は「治りにくい病気にかかり治療が長期化することに備えて」です。
回答者の多くは、公的保険の存在を前提としていますが、それを補うために民間の保険に加入していることが分かります。
なお、「家族や友人に勧められたから」や「勧誘されたから」という回答もあり、人間関係がきっかけとなって加入する人もいることが分かります。
保険に入らない理由は「保険料が払えないから」
民間の保険に加入していない理由も、主に2つあります。
一番多いのは「保険料が払えないから」で、50%を超えています。
ただし、年収が1千万円を超えている層でも、「保険料が払えない」ことを理由にしている人がいるので、「払うお金がない」というよりも、「払いたくない」という人も含まれていることが分かります。
次に多いのは「公的医療保険や公的介護保険に満足(信用)しているから」でした。
なお、「病気にはかからないので、自分には必要ないと思っている」という、自信家も6%います。
得られる安心感と保険料のバランスが大切
今回の調査では、全体の7割以上の人が民間の医療保険や介護保険に加入していることが分かりました。
また、加入の理由としては、公的な保険を前提とした上で、さらに万一の場合の安心感を求めていることが分かりました。
ただ、安心感を求めすぎて保障を厚くすると、毎月の保険料が大きくなってしまいます。
加入する場合は、毎月の保険料だけではなく、1年間の保険料や、払い込みが終わるまでの支払総額を計算してみると、自分が求めている「安心感」の値段がよく分かります。