「介護保険」は、国による制度です。
簡単にいうと、寝たきりなどの介護が必要な状態になったときに、各種のサービスを、その総額の一部を負担することで受けることができます。
「介護保険」は、高齢者が介護を受けるための制度という印象がありますが、実は40歳以上であれば利用することができます。
介護保険が利用できると、ヘルパーによる介護サービスや、手すりの設置などのリフォームが安く利用できます。
介護が必要な人にとって、ありがたいサービスが受けられる制度なのです。
ただし、40歳から64歳までの人が利用する場合は、原因となった病気が限定されており、利用している人は多くありません。
ここでは、40歳から64歳までの人が、介護保険を利用できる条件と、それによってどんなメリットがあるのかを紹介します。
介護保険では、保険の対象となる保険者を2つに分けています。
つまり、40歳から64歳までは「別枠」として扱われています。
そして、「第2号被保険者」は、介護保険を利用する際の制限が厳しくなっているのです。
介護保険では、40歳から64歳までの「第2号被保険者」がサービスを利用する際に、特定の病気の患者だけに限定しています。
これを「特定疾病(しっぺい)」と言います。
第2号被保険者が、介護保険を利用しようとしても、かかっている病気が「特定疾病」でなければ利用できません。
第1号被保険者は、病気等の原因を問わず、寝たきりや認知症などによって介護が必要になれば、誰でも介護保険を利用できます。
しかし、第2号被保険者が介護保険を利用するには、「特定疾病」という高い壁があるのです。
なお、特定疾病の内容は、難病指定や身体障害者手帳の等級とは関係ありません。それらとは、別に指定されています。
下記に、16種類の「特定疾病」を記しておきます。
【追記】2019年2月より、「末期がん」ではなく「がん」と記載できるようになりました。
介護保険を利用するための相談窓口は、住んでいる市区町村です。
「介護保険課」などの部署を探してください。
そこでチェックを受けたあとで、介護の段階を決める「要介護認定」の申請を行ないます。
なお、「要介護認定」には、ある程度の時間がかかりますから、すぐにサービスが利用できるわけではありません。
この「要介護認定」によって決められた、7段階の介護認定によって、利用できるサービスや予算が決まります。
「要介護認定」が出たら、「ケアマネージャー」が、どの介護サービスを利用するかを決めて「ケアプラン」を作成します。
介護保険の利用者は、要介護認定の結果や自分のニーズを考えながら、ケアマネージャーと相談して、自分が利用するサービスを選びます。
介護保険で受けられるサービスには、自宅で受けられるものと、施設などに入居して受けるものがあります。
第2号被保険者の利用実績を見ると、自宅で受ける「居宅サービス」の利用が多いようです。
例えば、次のようなサービスがあります。
また、「福祉器具の貸出や自宅のリフォーム」もあります。
これ以外にも、日帰りが基本の「デイケア」や、短期間施設を利用する「ショートステイ」などのメニューがあります。
ここまで見てきたように、40歳から64歳の「第2号被保険者」が介護保険を利用するには、「特定疾病」という厳しい条件があります。
しかし、闘病中であっても、安定期で退院して、自宅で生活している方にとっては、介護保険は使い甲斐のあるサービスです。
在宅での闘病に備えて、こういう選択肢もあるということを覚えておきましょう。