スマホ利用で増えている「疲れ目」を現役眼科医が解説

[2018/1/19 00:00]

日常生活にも影響が出る「疲れ目」

医薬品メーカーの参天製薬が公開した、「疲れ目」に関する調査によれば、「目の疲れが、日常生活に影響をおよぼすことがある」という人が7割を超えています。

中には、「車の運転に支障が出る」「目が疲れると、同時に頭痛がしてくるときがある」など、重い症状の例もありました。

対策としては、「目薬をさす」「目をマッサージする」「目の体操をする」などを挙げる人が多くなっています。

出典:参天製薬

現役眼科医による「疲れ目」の解説

この調査の結果を踏まえて、現役眼科医である、すみ眼科クリニックの藤井澄院長が「疲れ目」について解説しています。

長文ですが、正確を期すために原文のままお届けします。


「疲れ目」の原因としては、どのようなものが考えられますか?

「疲れ目」とひとくちにいっても、人によって、その原因はさまざま。ただし、その中でも近年特に目立つのが、「目の酷使」と「目の乾燥」です。

まず「目の酷使」についてですが、パソコンやスマートフォン等を長時間利用するなど、目のピント調節機能を使い過ぎることは、疲れ目の大きな原因につながります。ピントを合わせようとし続けることで、目の筋肉がコリかたまってしまうのです。

また、「目の乾燥」も実は疲れ目の原因になります。「乾燥」と「疲れ」は別物のようにも感じるかもしれませんが、目が乾いてしまうと、角膜が傷つきやすくなり、物が見えにくくなって疲れにつながってしまいます。目の乾きがひどく、「ドライアイ」の症状が出ている場合などは、目を開けているだけでしんどいと感じる人も多いのではないでしょうか。

「目の酷使」が原因の疲れについてお聞かせください。

近年は、パソコンやスマートフォンが普及したことで、「目の酷使」が原因の疲れ目が増えている印象があります。私自身も、紙のカルテから電子カルテに変えてから、目の疲れを実感しやすくなりました。

また、最近は「スマホ老眼」という言葉も登場している通り、年齢が若いにもかかわらず、目の使い過ぎが原因で老眼のような症状が起きるケースもみられています。こうした症状がみられるようになったのは、スマートフォンなどの電子機器が普及して以降、ここ数年のことだと思います。

「目の乾燥」が原因の疲れについてお聞かせください。

目の乾きがひどい「ドライアイ」の患者さんは、右肩上がりで増えています。最近では、お子さまでも「ドライアイ」でまばたきが多くなってしまって来院されることがあるほどです。

原因はさまざまで、例えばコンタクトや加齢、さらにはエアコンなども「ドライアイ」につながります。

また、冬の時季はただでさえ空気が乾燥するタイミング。朝、冷たい風が吹いたときに涙がボロボロ出てしまうという人もいるのではと思いますが、それは目が乾いている証拠です。冬は、外だけでなく、家の中もエアコンで乾燥しがちなので、目のためにも加湿器を使うなど、対策を心がけましょう。

「疲れ目」の原因は、どのように見分ければ良いのでしょうか?

「目の酷使」が主な原因の場合は、目の奥が重たい、頭が痛い、ピントが合いにくい、目の前がぼやける、などの症状が出ることが多いです。

逆に「目の乾燥」が主な原因になっている方は、目がごろごろする、目の表面がヒリヒリ・チクチク痛い、目を開けているのがしんどい、などの特徴があります。

また、睡眠中ずっと目を閉じていたはずなのに、朝、目が開きにくいという人も「ドライアイ」が進んでいる可能性があります。

「目の酷使」と「目の乾燥」で、原因が重複していることもあるのですが、まずはご自身の症状や生活パターンを振り返ってみると良いでしょう。

なお、「目の酷使」であっても「目の乾燥」であっても、基本的には夕方になればなるほど、どちらも症状が出やすくなりますが、本当に疲れている人、乾燥がひどい人は、朝から症状が出ることもあります。

「疲れ目」の対策方法について教えてください。

「疲れ目」対策としては、目薬を使う人が多いと思いますが、どのようなものでも良いというわけではありません。先ほど申し上げた通り、「疲れ目」とひとくちにいっても原因はさまざま。自分の原因・症状にあった目薬を選ぶことが重要です。

目薬によって効果効能が異なるため、パッケージを確認したり、店頭で薬剤師さんに相談したりして、適した成分が入ったものを選ぶようにしましょう。

また、「目の酷使」を自覚している場合は、パソコンやスマートフォンを使うときには適宜目を休ませる、「目の乾燥」を自覚している場合は、部屋に加湿器をつけたり、コンタクトの装用時間を短くしたりと、目薬を活用しながらも、日常の生活を見直すようにしましょう。

さらに、目薬をさしても、症状がおさまらない場合は、早めに眼科医の診断を受けてください。

[シニアガイド編集部]