先進安全自動車オーナーの4人に1人が「想定外の出来事」を経験

[2018/1/22 00:00]
出典:国民生活センター

先進安全自動車オーナーへのアンケート

国民生活センターが、「先進安全自動車に関する」アンケートの結果を公開しています。

先進安全自動車とは、衝突被害軽減ブレーキなどの交通事故防止機能を備えた自動車で、「サポカー」などとも呼ばれます。

2017年8月~9月に行なわれたインターネットアンケートには、先進安全自動車を所有している17歳~79歳の男女2,000人が回答しています。

購入理由は「事故を未然に防ぐため」

先進安全自動車の購入理由は、「事故を未然に防ぐため」が最多でした。

次いで「快適に運転するため」と「事故の被害を軽減するため」が、ほぼ並んでいます。

出典:国民生活センター

4人に1人は想定外の出来事に遭っている

先進安全自動車を運転をしている際に、意図していない「想定外の出来事」を体験したことがある人は、491人で、回答者全体の24.5%でした。

つまり、先進安全自動車の持ち主の4人に1人は、なんらかの想定外の出来事に出会っています。

出典:国民生活センター

「急に加速した」「急に減速した」が多い

「想定外の出来事」の内容は、「急に加速した」「急に減速した」「衝突被害軽減ブレーキが予期せず作動した」の3つが多くなっています。

出典:国民生活センター

なお、想定外の出来事が起きる状況は「一般道路」「0~59kmの速度」「晴れまたは曇」「日中」が多くなっています。

悪天候や夜間に限らず、ごく普通に運転している際に、先進安全自動車の機能による想定外の出来事が発生する可能性があることが分かります。

損害があった人は6.1%

さらに、想定外の出来事によって、「なんらかの損害があった」人が122人いました。

これは、回答者全体の6.1%にあたります。

損害の内容は、「他車や構造物等に接触した」「車体が傷付いた」「部品が破損した」などで、運転している自動車が、何かに軽く接触する例が多いようです。

出典:国民生活センター

過信は禁物。安全運転は自分が主役

国民生活センターでは、「現在実用化されている先進安全装置は、完全な自動運転ではなく、ドライバーは機能を過信せずに安全運転をする必要があること」という注意事項を、これまで以上に消費者に周知するよう、メーカーなどに呼びかけています。

また、次の2点を消費者へのアドバイスとしています。

  1. 衝突被害軽減ブレーキはあらゆる状況での衝突を防ぐ装置ではありません。人や自転車の急な飛び出しにはブレーキが作動しない場合がある等、先進安全装置の機能には限界があります。また、車種ごとに性能や作動条件は異なります。先進安全自動車を運転する際は、機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。
  2. 車種、グレードにより先進安全装置が標準装備されている場合やオプション装備される場合があります。先進安全自動車を購入する際は先進安全装置の有無をよく確認しましょう。

2つ目のアドバイスは、低価格のグレードや中古車を購入したために、同じ車種であっても先進安全装置が装備されていないという相談内容が増えていることによるものです。

先進安全自動車の技術は、現在、発展途上にあり、機能自体も、日進月歩で向上しています。

さらに、一部のグレードにだけ装備されている先進安全装置をCMで訴えている例が少なくありません。

自分が購入する車種とグレードが、実際にどんな機能を持っており、どんな限界があるのか、購入前に必ず確認しましょう。

そして、先進安全自動車は、万が一の時に助けてくれる杖で、主役ではありません。

先進安全自動車に乗っていても、安全運転を実現するための主役が自分であることは変わりがないということは覚えておきましょう。

[シニアガイド編集部]