「家族葬」と言われて迷ったときの知識とマナー

[2018/2/1 00:00]

「家族葬」という新しい葬儀

最近、増えている「家族葬」は、家族を中心に行われる葬儀です。

しかし、家族葬は比較的新しい形式ですので、出席するかどうかを含めて、マナーなどで迷う場合もあります。

この記事では、メモリアルアートの大野屋の終活・仏事アドバイザー 川島敦郎氏の解説を基に、「家族葬」の意味とマナーについて紹介します。

「家族葬」と「一般葬」の違い

「従来の葬儀(一般葬)」と「家族葬」の違いは、次のようになります。

  • 一般葬:故人だけでなく家族も含め、関係のあった多くの方々に参列してもらう葬儀。生前にお世話になった方々へのお礼と告知も兼ねる
  • 家族葬:参列者を故人の家族・親戚や親しい友人に限定した葬儀。故人との最後のお別れの時間を親しかった人たちのみで共有することが目的

家族葬と一般葬とでは、お葬式の流れや宗教形式などに大きな違いはありません。しかし、参列者に対する考え方が異なります。

「家族葬」は、家族や親戚との繋がりが中心で、傾向としては参列者20名程度のものが多くなっています。

ただし、故人や家族のこだわりや希望により、家族2人の場合や、50人以上の家族葬もあります。

規模ではなく、葬儀の性質によって「家族葬」と呼ぶべきでしょう。

家族葬に関するQ&A

「大野屋テレホンセンター」に寄せられた問合せを基に、「家族葬」についてのQ&Aも公開されました。

【Q】喪主の妻です。家族葬を選んだのでほぼ身内しか参列しないのですが、服装は着物でなければいけないのでしょうか。

【A】高齢の方や真夏の暑い季節は、着物で長時間過ごすのは大変ですので、内々だけの式であれば、黒のフォーマルスーツ等を着用し、無理をせず親しい方でゆっくりお別れして頂いても結構です。

【Q】葬儀に参列するのですが家族と兄弟で10名程度の家族葬なので、受付はないそうです。その場合、いつお香典を渡せば良いでしょうか。

【A】これはケース・バイ・ケースですが、親戚の方は、式が始まるまで控室又は故人様が安置されている部屋で過ごすことが多いので、その時間に喪主様に直接お渡しすると良いでしょう。

また、家族葬の場合は記帳を省略する場合もありますが、控室に受付帳を置いていることもあります。

【Q】親戚の葬儀の案内がありましたが、「香典辞退」と言われました。以前、自分の親の葬儀では香典を頂いたので、どうすれば良いでしょうか。

【A】これまでは、香典を頂いたら同じようにするのがマナーとされていましたが、今回の場合は、喪主や故人の意向で香典辞退としている為、無理強いはマナー違反です。

とはいえ、さまざまな状況に合わせて対応ができるよう、その場の状況でお渡しできそうなら渡す準備をしておくと良いでしょう。

また葬儀の時に渡せなかった場合、ご自分の気持ちを伝える方法として、49日法要や新盆、お彼岸などの際に、通常よりも少しずつ多めにお包みしても良いでしょう。

[シニアガイド編集部]