学び直しができるなら、希望するのは「語学」と「経営知識」
社会人でも学び直しができる「リカレント教育」
転職サイト「ミドルの転職」が、「リカレント教育」に関するインターネットアンケートの結果を公開しています。
「リカレント教育」は、教育機関を卒業した社会人が生涯にわたって、『学び直し』ができるシステムを指します。
リカレント(recurrent)は英語で「反復」や「繰り返し」などを意味します。
アンケートは、2018年1月に「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザーを対象に行なわれ、2,204人から回答を得ています。
90%の人がリカレント教育を希望している
「今後リカレント教育を受けたい」という人は、回答者の90%に達しています。
機会さえあれば、何か学びたいという人がほとんどのようです。
そして、「リカレント教育を受けたいと思ったきっかけ」は、「今後の人生を有意義にするため」が一番多く、67%の人が挙げています。
また、「教養を深めるため」と「就職や転職のために必要性を感じたため」が51%で続きます。
学びたいのは「語学」と「経営に必要な知識」
「リカレント教育で学びたいこと」は、「英語などの語学」と「経営/ビジネスに必要な知識や能力」が、ほぼ並んでいます。
3番目に「専門的な資格の取得」が続きます。
「学費」の負担が不安
「リカレント教育を受ける上での課題」は、「学費や受講費の負担」が多く、73%の人が挙げています。
やはり、金銭的な不安は避けて通れません。
次が「勤務時間が長くて十分な時間がない」と「職を離れることによるキャリアの断絶が怖い」で、職場の環境や自分のキャリアへの不安があることが分かります。
日本では検討中の段階
2017年12月に公開された、首相官邸の「人生100年時代構想会議」の中間報告では、「リカレント教育」を、次のように位置づけています。
人生100年時代においては、これまでのような、高校・大学まで教育を受け、新卒で会社に入り、定年で引退して現役を終え、老後の暮らしを送る、という単線型の人生を全員が一斉に送るのではなく、個々人が人生を再設計し、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択を行ない、新たなステージで求められる能力・スキルを身につける機会が提供されることが重要である。こうした教育と社会の循環システムの中心となるのが、「リカレント教育(学び直し)」である。
デジタル技術・人工知能などの技術革新が急速に進歩・普及していく中で、必要となるリカレント教育のための環境整備を産官学挙げて構築していくことが求められる。
政策内容と進行状況については、次のように述べています。
人生100年時代を見据え、その鍵であるリカレント教育を抜本的に拡充するとともに、現役世代のキャリアアップ、中高年の再就職支援、様々な学校で得た単位を積み上げて卒業資格として認める仕組みの活用など、誰もが幾つになっても、新たな活躍の機会に挑戦できるような環境整備を、雇用保険制度等の活用も含めて、来年(2018年)夏に向けて検討する。
最終的な報告書が、「いつでも学び直し・やり直しができる社会」への一歩となるような内容であることを期待しましょう。