超大型台風が東京を襲うと、最大10mの高潮が1週間続く
[2018/4/1 00:00]
最大規模の台風による高潮の被害を予測
東京都が、「想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図」を公開しています。
「高潮」とは、台風や低気圧の接近により、海水面(潮位)が平常時よりも高くなる現象です。
今回の「浸水想定区域図」では、次のような条件を想定して作成されています。
- 1934年の「室戸台風」級の上陸を想定
- 1959年に伊勢湾台風並の速さ(時速73km)で進む
- 東京港に最大の高潮を発生させるような台風の経路を設定
- 高潮と同時に河川での洪水を考慮
- 最悪の事態を想定し、堤防等の決壊を見込む
つまり、過去に日本を襲った最大規模の台風が来襲し、すべての条件が最悪の状況に陥った場合を想定しています。
なお、室戸台風級の台風が東京に来る確率は、「1千年~5千年に1度」とされています。
ここまでひどい被害が発生する頻度は、とても低いのですが、最悪の状況を想定することで、「想定外」の状況を無くすという意図が感じられます。
千代田区や品川区も浸水地域
「浸水想定区域図」を見ると、東京の東半分の区を中心に大きな被害が出ることがわかります。
浸水が想定される区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区で、17に及びます。
多くは、隅田川、荒川、中川、江戸川の流域ですが、神田川や日本橋川、目黒川や多摩川の流域も含まれています。
想定される最大の浸水の深さは約10mで、ビルの3~4階に相当します。
また、排水が終了するまで浸水が続く期間は、最大1週間以上に及びます。