総務省が、ふるさと納税の返礼品は「地場産品とすることが適切」と通知

[2018/4/2 00:00]

前回の通知から1年で、新たな通知

総務省は、ふるさと納税の返礼品について、地方自治体に対して2018年4月1日付けで通知を行ないました。

総務省では「ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品が送付されている」という認識を示し、2017年4月に行なわれた通知を守るよう呼びかけています。

また、その中で「返礼品を送る場合には、地場産品とすることが適切」というルールを示唆しています。

1年前の通知で返礼割合を「3割」に制限

ふるさと納税の返礼品については、2016年頃から、地方自治体間での競争が激しくなり、寄付金額の半分以上が返礼品の調達に使われてしまうという事態に至りました。

「この寄付額の割に、おトクな返礼品がある」という魅力で、ふるさと納税を集めようと考えた自治体が多かったのです。

これを憂慮した、当時の高市早苗総務大臣は、2017年4月に、地方自治体に対して「通知」を行ないました。

通知の内容は主に2点です。

  • 「寄附額に対し返礼割合の高い返礼品」について、少なくとも3割を超える返礼割合の返礼品については、速やかに3割以下とする
  • 「金銭類似性の高いもの」や「資産性の高いもの」について例示を追加するとともに、これらについて、換金の困難性や地域への経済効果等にかかわらず送付しない

この通知を受けて、家電製品やクーポン券などの換金性の高い返礼品を止めたり、返礼割合を見直した自治体が多く見られました。

総務大臣の交代が迷いを呼ぶ

しかし、2017年8月に交代した野田聖子総務大臣は、ふるさと納税に対して、「返礼品について、自治体の判断に任せたい」という趣旨のインタビューを行ないました。

これを受けた総務大臣の記者会見でも、次のような発言をしています。


総合的ですから、通知は通知で出したものであって取り消しはしません。ただ、その上でよくよく考えていただいて、自分の地域にとっていい道筋を、それぞれの地方分権、地方主権の形で出してくださいということです。(2017年9月5日会見)

この発言を受けて、総務省の方針転換と受け止めた地方自治体もありました。これらの自治体では、ふるさと納税に係る返礼品の見直しをせず、従来のままとしています。

今度は「地場産品」を強調

今回、改めて行なわれた通知は、次の3点がポイントです。

  • 返礼品の送付に関して、昨年4月の通知に沿った対応を要請。特に返礼割合について徹底を強調
  • 返礼品を送る場合には、地場産品とすることが適切であると示唆
  • ふるさと納税の更なる活用に向けた取組の推進

つまり、総務省としては「3割を超える返礼割合の返礼品」については、許していないということを強調しています。

次に、返礼品は地場産品がふさわしいと強調しています。

これは昨年の通知の内容よりも、さらに厳しい縛りと言って良いでしょう。

最後に、各地の好事例を取りまとめた「ふるさと納税活用事例集」を作成し、この事例集を参考に、ふるさと納税の更なる活用に向けて、創意工夫に溢れた取組を要請しています。

つまり、単純に返礼割合を高くして、返礼品の魅力でふるさと納税を集めるのではなく、ふるさと納税によって可能になる施策などを示すことで、地元への共感を高めて、ふるさと納税を集めるような方向を示しています。

「ふるさと納税自体が批判されてはならない」

2018年3月30日付けの野田総務大臣の記者会見では、ふるさと納税の現状について、次のような認識を示しています。


返礼品については、昨年4月の通知発出後も、依然として、一部の団体において、ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品が送付されている状況が見受けられます。

こうした状況が続くことによって、制度そのものが批判を受けることはあってはならない。

つまり、昨年の通知を受けても、返礼品の見直しをしなかった地方自治体に対して「許容していない」と、改めて示しました。

昨年の通知に沿って見直しをした自治体からは、見直しをしていない自治体と、それを放置している総務省への批判が起きていました。

総務省としては、それが発展して、制度自体が批判されることは避けたいということでしょう。

しかし、ふるさと納税がなぜブームになったかというと、「おトクな返礼品」と「有効な節税策」の2つが理由です。

おトクな返礼品という魅力が無くなった場合、ふるさと納税が、これまで通りの成長を続けられるのかが注目されます。

なお、地方自治という基本理念があるため、総務省は地方自治体に対して要請することはできても、命令することはできません。

そのため、今回も通知を無視して、従来どおりのおトクな返礼品を続け、返礼品競争を繰り広げる自治体が出てくる可能性もあります。

この通知を受けた、各自治体の反応が注目されるところです。

[シニアガイド編集部]