病院に通っている人は、どんな病気が多いのか

[2018/6/21 00:00]

どんな病気で病院に行くのか

年齢が進むと、病院などの医療サービスを利用する機会が増えます。

では、病院に通っている人は、どんな病気が原因なのでしょう。

国が行なった「高齢者の健康に関する調査」に、そのデータがありました。

この調査は、2017年12月から2018年1月にかけて、全国の55歳以上の男女に面接調査を行ない、1,998人から有効回答を得ています。

7割以上の人は「医療」を受けている

回答者全員に、「病院などの医療サービスを利用する頻度」を聞いています。

まず、医療サービスを「利用していない」または「不明」という人が23.1%でした。

つまり、残りの7割以上の人は、病院を利用しています。

やはり、年齢を重ねると、病気と縁がある人が多くなるようです。

医療を利用する頻度は、「月に1回くらい」が多く、30%を超えています。

次に多いのは「年に数回くらい」でした。

この2つで50%を超えるので、医療を利用している人の多くは、月に1回程度の通院に収まっていることが分かります。

逆に、週に1回以上の高い頻度で病院に通っている人も、全体の8.2%います。

出典:データを基に編集部が作成

「循環器系」と「内分泌/代謝障害」が多い

医療サービスを受けている人は、どんな病気が原因なのでしょう。

医療を利用している1,536人に、「最も通院頻度が高い病気」を聞いています。

多い順に見ていきましょう。

  • 循環器系 (高血圧症、脳卒中、狭心症など) 36.3%
  • 内分泌/代謝障害 (糖尿病、糖質異常症など) 12.2%
  • 筋骨格系 (痛風、関節リウマチ、腰痛症、骨粗しょう症など) 11.7%
  • 消化器系 (胃・十二指腸の病気、肝臓の病気など) 7.2%
  • 呼吸器系 (鼻炎、喘息など) 5.2%
  • 目の病気 4.8%
  • 尿路生殖器系 (腎臓の病気、前立腺肥大症など) 3.5%
  • 悪性新生物 (がん) 2.4%
  • うつ病、その他こころの病気 1.3%
  • 皮膚 (アトピー性皮膚炎など) 1.3%
  • 貧血・血液の病気 1.2%
  • 損傷 (骨折、けが・やけど) 1.1%
  • パーキンソン病、その他の神経の病気 0.9%
  • 耳の病気 0.8%
  • 認知症 0.5%

「循環器系」は特に多く、全体の4割近い人が挙げています。

脳卒中や狭心症など、脳や心臓などの重要な臓器に関わるだけに放置できない病気です。

次に多いのが「内分泌/代謝障害」でした。糖尿病は進行すると失明などの重い症状に至る重要な病気です。

三番目が「筋骨格系」で、痛風や関節リウマチなどが含まれています。

いずれも、痛みが大きく、生活の質を落としてしまう病気です。

慢性的な病気を防ぐ生活を

中高年者の7割以上は、病院などで医療を受けていることが分かりました。

医療を受ける理由は、高血圧、脳卒中、狭心症、糖尿病など、慢性的な病気が多くなっています。

また、「悪性新生物(がん)」で通っている人が、2.4%と比較的多いことも見逃せません。

がんは助かる病気になっていますが、手術後の通院などの負担が大きい病気であることは変わりません。

自分の老後を意識するときは、これらの病気になるような原因を避け、健康に配慮して生活することを考えましょう。

[シニアガイド編集部]