すでにあるお墓に、新しく納骨する時の手順
すでにお墓がある場合の納骨
最後に残った親が亡くなったときに、自分が引き継いだお墓にどうやって納骨すれば良いか、ご存知ですか。
これまで、お墓やお寺のことは両親に任せっぱなしだったりすると、手順がわからなくて困ることがあります。
ここでは、自分が永代使用権を持つ使用者として登録されているお墓に納骨するまでの、一般的な手順を紹介します。
「四十九日」をメドに、早めに手配を
日本の法律では、火葬後に、いつまでに納骨しなければならないという期限はありません。
したがって、納骨をせずに、遺骨を手元に留めておくことも問題はありません。
逆に、火葬が終わったらすぐに納骨をしてしまっても問題ありません。
ただし、一般的には「四十九日」をメドにして、納骨を行なうことが多くなっていますから、一つの目安として覚えておきましょう。
納骨に必要なもの
納骨に必要なのは、お骨と書類です。
納骨に必要な書類は、「埋葬許可書」と「霊園の使用許可証」です。
「埋葬許可書」は火葬後に、骨壷と同じ箱にしまわれていることが多いでしょう。
「霊園の使用許可証」は、お墓の永代使用権を買って、使用者となったときに受け取っているはずです。
早めに、確認しておきましょう。
なお、そのお墓に誰の遺骨を納骨するかを決める権利は、永代使用権を持っている使用者が持っています。
たとえば、先祖伝来の墓に納骨を希望するなど、自分が使用者ではない場合は、まず、そのお墓を管理している使用者に相談しましょう。
公営の霊園での納骨の手順
公営の霊園の場合、納骨の際に、連絡する先は二つあります。
一つは石材店、もう一つは霊園の管理者です。
一般には、先に石材店に連絡する方が、スムーズにことが運びます。
石材店は、お墓を建ててもらったところを利用するのが一般的です。
手順は次のような流れになります。
- 納骨の3週間ぐらい前までに石材店に連絡し、納骨をしたいと伝える
- 石材店と打ち合わせて、納骨日と時間を決める
- 霊園の管理事務所に電話をして、納骨の予約をする。
- 石材店から、納骨作業の申込書類が郵送されてくる
- 故人の氏名や、死亡日などを記入して返送する
- 石材店から、墓石に彫る「字彫り」の内容の確認が送られてくる
- 内容を確認の上、確認の署名や捺印をして返送する
- 納骨の当日は、霊園の管理事務所に行き、納骨に伴なう手続きを行なう
- お墓の前で、石材店が清掃などの準備をして待っている
- 納骨の作業を行なう
- その場で、石材店に費用を支払う
上記の流れは、お坊さんや親戚を呼ばず、家族だけで納骨を行なう場合です。
これで分かるように、一番時間がかかるのは、お墓に名前や亡くなった日を彫るための日程です。
墓石に名前を彫り間違えると一大事ですから、彫る字の確認を丁寧にやりとりします。
そのため、最低でも2週間、できれば3週間が必要なのです。
なお、石材店に支払う「字彫り」の費用と、納骨の際の清掃や、カロート(納骨堂)の開け閉めなどの作業費は、一般的には5万円~10万円の間で済むことが多いようです。
公営の霊園の場合、すでにあるお墓に追加で納骨をするときは、経費がかからないのが普通です。
菩提寺の墓地への納骨の手順
菩提寺の墓地に、お墓がある場合は、次のような流れになります。
- 菩提寺と日程の相談をする
- 菩提寺が石材店に連絡し、石材店から申し込み書類が送られてくる
- 個人の氏名や、死亡日、戒名などを記入して返送する
- 石材店から、墓石に彫る内容の確認が送られてくる
- 内容を確認の上、確認の署名や捺印をして返送する
- 納骨当日に、菩提寺に伺う
- 納骨に必要な書類の確認の上、本堂で「四十九日法要」を行なう
- お墓の前に移動すると、石材店が準備をして待っている
- 納骨の作業を行なう
- お坊さんが「納骨式」(納骨法要)を墓前で行なう
- 菩提寺にお布施を、石材店に費用を支払う
一般に、お寺が所有する墓地や霊園の場合、特定の石材店が指定されている場合があります。
また、法要の日程が優先されることが多いので、石材店より先に菩提寺に連絡する方が安全です。
なお、「四十九日法要」や「納骨法要」については、宗旨によって順番や内容が異なることがあります。あらかじめ、菩提寺と当日の手順を相談しておきましょう。
また、お布施の額については、地域や個人によって異なります。年上の親戚や葬儀社などに聞いてみましょう。
法要に、親戚が出席する場合は、その接待費用も頭に入れておきましょう。
周囲の状況に合わせて日程を決める
ここで紹介した納骨の手順は、一般的な例です。
公営の霊園の場合は、霊園の使用の手引きを参照して手順を確認することをおすすめします。
菩提寺がある場合は、葬儀の直後に相談しておくとスムーズです。
なお、都会では、納骨を四十九日の法要に合わせることは少なくなっています。
しかし、菩提寺がある場合や年上の親戚がいる場合は、むげに出来ないばあいもあります。周囲の状況に合わせて判断しましょう。
いずれにしても、石材店とのやりとりに3週間程度の余裕が必要なので、早め早めに動くことをおすすめします。