「がん遺児」と「小児がん経験者」の高校生を対象にした返還不要の奨学金
高校生を対象とした奨学金制度
生命保険会社のアフラックが、自社が行なっている奨学金制度について情報を公開しています。
この奨学金制度は、高校生を対象としており、卒業まで月額25,000円を給付します。
奨学金の返還は不要で、他の奨学金制度と併用することもできます。
がん遺児や小児がん経験者は家計が苦しい
2018年度の奨学生の募集は、2017年11月から2018年2月にかけて行なわれました。
アフラックが2018年度に決定した奨学生は、「アフラックがん遺児奨学金」が119人、「アフラック小児がん経験者奨学金」が21人で、合計140人でした。
2018年度の応募者329人のうち、「がん遺児奨学金」では約9割が母子世帯です。
また、「小児がん経験者奨学金」では、約4割が母子世帯で、現在も継続的な治療を受けている子どもたちは約3割を占めています。
応募者の1世帯あたりの平均所得金額(稼働所得)は、がん遺児奨学金では76万円、小児がん経験者奨学金では220万円に留まっています。
高校無償化でも、学費の負担はある
高校の学費は、2010年4月から国の公立高校無償化や高等学校等就学支援金制度が行なわれ、授業料の負担が軽減されました。
しかし、文部科学省の調査によれば、入学金や教材費、通学費などの高校生活にまつわる費用の総額は、公立高校で年間約27万円、私立高校で約75万円となっており、教育費が負担になっていることは依然として変わっていません。
常時、寄付を受け付け
アフラックの奨学金制度は、1995年の設立以来、のべ2,641人が対象となり、奨学金の給付額は累計で16億3,252万円に及んでいます。
アフラックの奨学金制度は、アフラックおよび同社の社員、アソシエイツ(販売代理店)からの寄付を財源としており、毎年9月の「がん制圧月間」には街頭募金も実施しています。
運営団体である「公益財団法人がんの子どもを守る会」では、ゆうちょ銀行の振替払込口座番号を公開しており、一般からの寄付も受け付けています。