50歳から64歳の労働者の59%は、職場の自動化で仕事を奪われる可能性がある
[2018/7/30 00:00]
自動化によって追い出されるリスク
大手保険会社の米マーシュ&マクレナン社の最新レポート『The Twin Threats of Aging and Automation(高齢化と自動化:2つの脅威)』が、「高齢労働者は職場の自動化の影響を受けて代替されるリスクが高い」と警告しています。
このレポートで高齢労働者とされているのは、「50歳から64歳の現在雇用されている労働者」です。
レポートによれば、中国の高齢労働者の76%は、自動化可能な業務に従事しており、職務の自動化によって代替されてしまうリスクがあるとしています。
自動化による代替率が高く、高齢労働者にとってリスクが高い国は、「中国」のほか「ベトナム」「タイ」「韓国」「チリ」が続きます。
日本でも「59%」が危ない
そして、「日本」も代替率が59%と高く、全体の6位に入っています。
つまり、「50歳から64歳の現在雇用されている労働者」の半分以上は、現在の職に留まれない可能性があります。
日本は、仕事の自動化が難しい、高度技能を有する労働者が集中している国の1つです。
それでも、職場における様々な業務プロセスが自動化されることによって、高齢労働者の多くは、現在の仕事を奪われてしまう可能性が高いのです。
過去に精通しているだけでは、将来から追い出されてしまう
経営コンサルティング会社オリバー・ワイマン社のパートナーで同レポートの共同執筆者であるアクセル・ミラー氏は、次のように述べています。
高齢化が進みつつある国々においては、高齢労働者は、特定の仕事に従事する意向と能力だけがあったのでは足りない。『過去の』職場や業務の事情に精通しているのみでは、『将来の』経済社会から追い出されてしまうリスクがあるのだ。
長期に渡って働き続けるためには、RPA(Robotic Process Automation)やAIによる職場の自動化に対する関心を持ち、自分から積極的に関わっていく意志が必要ということでしょう。