「加齢にまつわる9つの都市伝説」の真偽を、現役美容ドクターが判定

[2018/8/29 00:00]

現役医師が真偽を判定

美容外科「東京イセアクリニック」の吉種克之総院長が、一般に流布している「加齢に伴う身体の変化」の都市伝説について、解説を公開しています。

医療に関わることなので、この記事では、原文のまま解説を掲載しています。

“シルバー世代”に近づくにつれ「体毛は徐々に薄くなる」と思う

【正解は○(マル)です】

加齢に伴い体毛が薄くなるように感じるのは、年を重ねることにより“毛を生み出す「毛母細胞(もうぼさいぼう)」が衰える”ことが原因です。

毛母細胞が衰えることで、「毛が生えにくくなった部位」は毛が薄くなったように感じます。

毛母細胞の模式図

“シルバー世代”に近づくにつれ「鼻毛・耳毛・眉毛は伸びる」と思う

【正解は○です】

加齢に伴い毛母細胞が衰えることが原因で起こる「毛の生え変わりの周期が長くなる部位」が【鼻毛・耳毛・眉毛】の部位になります。

年を重ねると鼻毛や耳毛、眉毛部分の毛は長く伸びるまで抜け落ちずにそのまま残り続けるため、実際「伸びている」ようにみえます。

加齢に伴い「ニキビはできにくくなる」と思う

【正解は○です】

加齢とともに、“男性ホルモンや皮脂の分泌が減ること”が原因です。男性ホルモンや皮脂の分泌が減ると、毛穴に皮脂がつまりにくくなります。

また、アクネ菌が増殖せず炎症を起こしにくいため、年を重ねるとニキビができにくくなります。

“シルバー世代”に近づくにつれ、「顔の形が変わる」と思う

【正解は○です】

年を重ねて起こる皮膚のたるみや眼球を支える筋肉のたるみが原因で顔の形が変わることがあります。

頬の位置や眼球の位置が垂れ下がることで見た目にも大きく変化し、老けて見えてしまうことも。また頭蓋骨の骨密度の減少により、骨萎縮が起こる可能性があります。

加齢に伴なう顔の変化

“シルバー世代”に近づくにつれ、「鼻や耳が大きくなる」と思う

【正解は○です】

耳は軟骨でできています。加齢により軟骨が薄くなると皮膚を支える力が弱まり皮膚が垂れ、結果、耳が大きくなります。

また耳と鼻は耳管で繋がっているため、耳が下がると鼻も引っ張られ大きくなります。耳たぶが厚くなる福耳もたるみが原因で起こります。

“シルバー世代”に近づくにつれ、「一重が二重になる」と思う

【正解は○です】

加齢とともに瞼(まぶた)の脂肪部分が痩せ、瞼が落ちることことにより、一重まぶたが二重まぶたになることがあります。

もともと奥二重だった人は、くっきり二重になる人もいますし、それとは逆に二重まぶたが一重まぶたになる方もいます。

“シルバー世代”に近づくにつれ、「赤いホクロ」ができる場合がある

【正解は○です】

加齢とともに「赤いホクロ」ができる人がいます。

この正体は、『老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)』というもので、紫外線を多く浴びることも原因とされています。

特に害はなくそのままにしていても問題ありませんが、レーザーで除去することも可能です。

「加齢臭」とは別に、「老人臭」があると思う

【正解は△です】

一般に「老人臭」とは、加齢臭を含めた様々なニオイのことを指します。

身体の代謝が落ちアンモニアが分解できずに発生するニオイや、内臓機能低下による口臭など様々なニオイがあります。

日々の食生活や運動、喫煙等、生活習慣によって人それぞれのニオイを発生させるので、老人臭がある人・ない人は様々で個人差があります。

女性は高齢者に近づくと、「乳輪やエチケット部分がピンク色になる」

【正解は○です】

乳輪や乳首、外陰部はもともと色素を濃くするメラミン活性が高いため、比較的こすれたりするだけでも黒ずみになりやすい敏感な部位です。

人それぞれ持っているメラミン活性は違うため色には個人差がありますが、2次成長時に女性ホルモンが活発な動きをするとともに濃くなっていきます。加齢とともにメラミン活性が低下するなるため、綺麗なピンク色に近づきます。

[シニアガイド編集部]