老後に向けて貯めたい金額と、現実との差は2千万円以上
老後に関する大規模なアンケート
メットライフ生命保険が、「老後に関する調査」の結果を公開しています。
2018年6月に行なわれたインターネット調査には、全国の14,100人が回答しています。
ここでは、いくつかのトピックを拾って紹介します。
老後の不安が減るのは、お金が貯まったとき
「老後に対する不安がある」人は、どの年代でも多く、20代から50代までは80%を超えます。
しかし、「60代以上」になると、老後に不安がある人は73.6%まで下がります。
この理由のヒントは、「老後に対する不安」の内容にあります。
20代から50代までは、老後に対する不安の1位は「お金」です。
しかし、「60代以上」だけは、1位が「健康」になり、「お金」は4位に下がります。
この年代で、「老後不安がない」と回答した人の、預金や証券などの金融資産の平均は「2,653万円」でした。
一方、「老後に不安がある」と答えた人の、金融資産の平均は「1,545万円」で、1千万円以上の差があります。
つまり、60代までに、作ることができた資産の大きさが、老後に対する不安の有無に直結しているのです。
目標とする金額と現実との差は「2千万円以上」
資産があれば、老後の不安は少なくなると分かっていても、お金を貯めることは簡単ではありません。
そこで、「老後の備えとして十分な金融資産と、現在の金融資産の金額」を聞いています。
例えば、「20代」では、現在の資産が244万円で、想定している資産が2,333万円です。
目標としている金額と、手持ちのお金との間には、2千万円以上の差があります。
面白いことに、「50代」までは、2千万円という、目標と現実との差は変わりません。
手持ちの金融資産は増えていくのですが、目標とする金額も増えていくためです。
しかし、「60代以上」になると、現実と目標の差が1千7百万円まで縮まります。
退職金などの収入もあるので、ある程度の資産を作ることができる人が多いのでしょう。
とはいえ、「60代以上」になっても、目標とする金額と、実際に貯めることができる金額とは大きな差があることは変わりません。
実際には、その時の手持ちの金融資産を基準にして、生活をそれに合わせることが必要となるでしょう。
自分の寿命が80歳以上まであると気づくのは60代になってから
老後に必要にお金を考えるときに、自分が何歳まで生きるかという情報は欠かせません。
そこで、「何歳まで生きたいですか」と、自分の希望する寿命を聞いています。
回答者の年齢が若いほど、想定している寿命が短く、50代までは「70代後半」に留まっています。
しかし、回答者の年齢が「60代以上」になると、いきなり5歳ほど伸びて80歳を超えます。
性別に見ると、男性は「85.3歳」、女性は「83.7歳」でした。
ちなみに、日本人の平均寿命は、男性が「81.09歳」、女性が「87.26歳」です。また、60歳の時点での平均余命は、男性が「23.72歳」、女性が「28.97歳」です。
したがって、60代以上の人の寿命の見通しは、だいたい正しいと言えるでしょう。
ただ、女性は、自分の寿命を実際よりも短く考える傾向があります。自分が思っているよりも、長生きをする可能性があることは覚えておきましょう。