体重ではなくBMIをチェックして「低栄養傾向」に注意しよう

[2018/9/14 00:00]

BMIは健康的な体重の目安

「BMI」は、「Body Mass Index(ボディマス指数)」の略語で、現在の体重が健康的なものであることを判断する基準として用いられています。

BMIの計算式は世界共通で、「体重(kg)/身長(m)の2乗」です。

スマホの電卓機能などで計算するときは、体重を身長で2度割ると簡単です。

たとえば、身長170cm 体重70kgの人のBMIは、70÷1.70÷1.70で24.22となります。

また、スマホのアプリやWebサイトなどでも、BMIが計算できるものが多くあります。

厚労省による目標値は年齢別

BMIという数値は世界共通ですが、その数値をどう判断するかという基準は、国によって異なっています。

例えば、厚労省によって、年齢別の目標が設定されています。

  • 18~49歳:18.5~24.9
  • 50~69歳:20.0~24.9
  • 70歳以上:21.5~24.9

高齢になると、BMIが小さい、つまりやせ過ぎることによる虚弱を予防するために、下限の数値が少し高くなっています。

太り気味の男性も高齢になると変わる

では、どれぐらいの人が、BMIの目標範囲から外れているのでしょう。

厚労省が公開した「国民健康・栄養調査」のデータを見てみましょう。

まず、男性から見て行きます。

出典:データを基に編集部が作成

20代の男性では、体重が足りない「範囲未満」の人は9.1%で、太り気味の「範囲超」の人の26.8%よりも、ずっと少ないことが分かります。

男性の場合、60代までは太り気味の人が多い傾向が続きます。

しかし、70代になると「範囲未満」の人が増えはじめ、80代になると「範囲未満」の方が多くなります。

男性の場合、70代に入ったら、太り過ぎよりも、やせ過ぎに注意し、虚弱な体格にならないように気をつける必要があります。

やせ過ぎる傾向がある高齢女性

女性の場合、「範囲未満」の人が多いという傾向が、男性よりも強く表れています。

グラフを見ても、体重が足りない「範囲未満」の人が、太り過ぎの「範囲超」よりも多い年代が目立ちます。

ここまで来ると、やせ過ぎというよりも、「低栄養傾向」と言うべきでしょう。

特に70代以降は、その傾向が強く、30%を超える人が「範囲未満」となっています。

出典:データを基に編集部が作成

ダイエットが頭にあると、「体重は少ないほど良い」と考え勝ちですが、過剰な低体重は虚弱へ向かう道のりです。

体重ではなく、BMIをベースに考えるようにして、自分の体重が適切な範囲内にあることを確認しましょう。

[シニアガイド編集部]