「年金支給開始年齢の引き上げは考えず」と厚生労働大臣が発言
[2018/10/5 00:00]
「ただちに引き上げは考えず」
10月3日に、厚生労働大臣に就任した根本匠氏は、記者会見の場で、年金の受給開始年齢の引き上げについて質問され、「ただちに給付年齢の引き上げということは考えておりません」と回答しました。
ここしばらく、受給開始年齢を68歳に引き上げることを示唆する資料が財務省から出るなど、現在の65歳から年金の受給開始年齢を引き上げる動きが出ていました。
根本大臣は、就任時の会見で、「年金の受給開始年齢を、任意で70歳以上まで選択できるようにする」と述べており、現行制度を維持したままで選択できる幅を広げる方針です。
今回の根本大臣の発言により、受給開始年齢を引き上げる動きは、いったん収まるでしょう。
根本大臣への質問と回答の原文
質問
年金の受給開始について70歳を超えても選択できるようにしたいと昨日おっしゃっていました。そもそも原則65歳となっている年金の受給開始年齢について、財務省では68歳という案も出ていますが、年金の受給開始年齢についてはどのように考えていらっしゃいますか。
回答
年金の給付年齢の引き上げについては、今の現行の年金制度で、マクロ経済スライドも入れて、負担も18.3%で厚生年金において固定して、5年に一度財政検証して、今の制度できちんと回っているかどうかというのを、もう一度検証しているわけです。今の現行制度を前提として、ただちに給付年齢の引き上げということは考えておりません。そこは、今、回っているので。
次は来年の「財政検証」以後か
根本大臣の発言によって、すぐに年金の受給開始年齢が上がる可能性は低くなりました。
しかし、根本大臣も述べている「年金の財政検証」は、次回の結果が2019年に公開されます。
財政検証において、なんらかの手段が必要であると判断されるような結果が出た場合、改めて年金の受給開始年齢の引き上げが取り上げられることになるでしょう。