「クーリングオフできない!?」スポーツジムなどの契約でトラブル増加中

[2018/10/12 00:00]

スポーツジムでの契約トラブルが増加中。

国民生活センターが、スポーツジムやフィットネスクラブ、ヨガ教室、体操教室等などの契約に関する相談が増えていることを受けて、警告を発しています。

スポーツジムなどの契約は、原則としてクーリングオフできません。

しかし、後で解約するつもりで取りあえず契約をしてしまい、解約料を請求されるトラブルが増えています。

この記事では、典型的な例を2つ紹介します。

【実例1】予約が取れない

無料体験のあと入会金約10,000円、月会費約9,000円のトレーニングジムを契約し、クレジ
ットカードで決済した。

トレーニング時にコーチの指導が付くため事前の予約が必要だが、予約の電話はほとんどつながらない。ようやく電話がつながっても、予約枠が一杯で予約が取れない状況である。

利用ができないのでは契約した意味がない。規約には、入会金は返金不可と記載があるが、クーリングオフは可能か。(40代男性)

【実例2】解約を申し出ても引き止められてしまう

実家で一人暮らしをしている90歳代の母が近所のスポーツジムと契約しているが、ほとんど行くことができないので、昨年8月、母と共にスポーツジムに行き解約を申し出た。

しかし、スポーツジムのスタッフが泣きながら解約しないようにと引き留めるので、根負けして契約を継続したが、その後も月1回行くかどうかの状態であった。

5日前、母の銀行の通帳を記帳した際に、スポーツジムの名前で約10,000円が2回引き落とされていることに気付いた。スポーツジムに確認したところ、筋肉を維持するためのプロテインを2カ月に1回のペースで定期購入していることが分かった。

そもそも高齢の母に必要とは思えず、無理に買わされたのではないかと思う。家を探したら開封してあるがほぼ手を付けていないプロテインが1袋、未開封のものが4袋あった。

母は高齢で判断力が衰えてきているため、母に契約のいきさつを聞いても要領を得ない。このスポーツジムの対応に納得できない。問題ではないか。(90代女性)

問題点とアドバイス

これらの相談内容からは、共通の問題点が浮かび上がってきます。

  • 強引な勧誘や当日中の申し込みが条件となる割引等で契約を急がされる
  • 予約が取れず利用できない、サービス内容が説明と異なる
  • 高額な解約料を請求される等、中途解約でのトラブルが多い
  • 解約を拒否される、解約手続きができていない

これに対して、国民生活センターでは、次のようなアドバイスを呼びかけています。

  • 契約書面や規約を必ず読み、内容を確認してから契約しましょう
  • 解約条件等についてはジムのスタッフに説明を求め、十分確認しておきましょう
  • スポーツジム等の契約は原則クーリングオフできません。契約は慎重に行ないましょう
  • 解約手続きは十分確認して行ないましょう
  • 不安に思った場合やトラブルになった場合には、消費生活センター等に相談しましょう

クーリングオフにならない契約もある

相談内容を見ると、クーリングオフがあるからと、安易に契約してしまう例があります。

しかし、国民生活センターのアドバイスにもあるように、スポーツジム等の契約は原則クーリングオフの対象ではありません。

例外として、クーリングオフの対象となるのは、次のような場合だけです。

  • 路上等で消費者を呼び止め、スポーツジム等へ連れて行き契約をさせるキャッチセールス
  • 電話やSNSのメッセージ機能等でスポーツジム等の契約であることを隠して店舗に呼び出し、契約をさせるアポイントメントセールス

この場合は、特定商取引法に定める訪問販売に該当し、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリングオフによる解除をすることができます。

これ以外の、スポーツジムなどの店舗で交わした契約に対しては、クーリングオフ制度はありません。

後から、解約を申し出ても、無条件では解約できないことが多く、解約料などが請求されます。

その場しのぎの行動は避けて、契約は慎重に行ないましょう

[シニアガイド編集部]