海外在住の家族を健保の扶養にするには証明書類が必要

[2018/10/26 00:00]

厳しくなった扶養の認定

2018年10月から、サラリーマンの健康保険について、家族などを被扶養者にする手続きに大きな変化がありました。

これまでは、扶養していると申立をすれば良かったのですが、10月からは、扶養しているという事実を証明する書類が必要となったのです。

例えば、健康保険に加入している人との間柄について証明するために「戸籍謄本」が必要になったり、収入額を確認するための「課税証明書」や「年金証明書」が必要となりました。

しかも、これらの書類の多くは、コピーではなく、原本を添付する必要があります。

このように厳しくなったのは、厚労省が事務の取扱いについて、「申立ではなく、証明書類に基づくよう」変更したためです。

健康保険に関わる医療費は、年々大きくなっています。

不明朗な被扶養者をなくすことで、少しでも医療費を抑えることが目的と思われます。

海外在住者にも厳しい目

あまり話題になっていませんが、認定基準が厳しくなったのは、海外に住んでいる家族も同様です。

日本国内に住んでいる家族と同様に、海外に在住している場合でも、扶養にするためには公的な書類が必要になりました。

具体的には、「健康保険被扶養者(移動)届」を出すときには、扶養にする人との続柄や仕送り状況などを記載した「現況申立書」が必要となりました。

出典:日本年金機構

しかも、続柄が確認できる公的証明書や、仕送りが確認できる銀行の通帳、収入が確認できる収入証明書などを添付する必要があります。

例えば、必要な書類を日本に郵送する場合は、それなりの日数が必要となるでしょう。

海外留学をしている子供を、健康保険の扶養にするのは、かなり手間のかかる作業になることが予想されます。

「健康保険被扶養者(移動)届」は、基本的には会社経由で提出する書類です。

できるだけ早い時期に、自分が勤務している会社の総務部門に、「海外に出ている家族がいるのだけど、どんな手続が必要なのか」相談してみましょう。

[シニアガイド編集部]