病院の待ち時間と診察時間の実態調査
長く待たさせた上に、短い診察時間
何か症状があって、外来で病院に行き、長い時間待たされた末に、数分の診察で終わった経験はありませんか。
いったい、どれぐらい待たされているのか、そして、何分ぐらい診察を受けられるのかを調べてみました。
もとにしたデータは「平成29年受療行動調査(概数)の概況 」という厚労省の調査です。
約9万5千人の外来患者が回答しているので、サンプル数としては十分でしょう。
7割以上の人は予約している。
まず、外来で訪れる前に、病院に予約をしているかどうかを見てみましょう。
今回の調査では、予約をしている人は「70.9%」でした。つまり、7割以上の人は病院に行く前に予約しています。
そして、病院が大きいほど予約している率が高くなります。
大きい病院に行くときは、別の病院の紹介によることが多いので、予約をすることが多いのでしょう。
意外と短い待ち時間
診察までの待ち時間で、一番多い回答は「15分未満」でした。
二番目も「15~30分」です。この2つで、ほぼ半分を占めています。
意外と、待たされる時間は短いことが多いようです。
ただし、3時間以上待たされている例もあるので、診察を受ける病院による差が大きいのでしょう。
また、予約の有無が、待ち時間に影響することは想像できます。
診察時間は「5~10分」
医師に診察してもらう時間で、一番多い回答は「5~10分」でした。
次に多いのが「5分未満」で、この2つで半分を超えます。
待たされる時間に比べて、診察時間は短いことが分かります。
病院に行くには決心が必要
最後に、体調不良などの自覚症状と、初診の関係をみてみましょう。
この調査では、外来で診察を受ける前に、自覚症状があったかどうかを聞いています。
自覚症状があった人は70%近くもいました。
自覚症状があった人に、症状を自覚してから、診察を受けるまでの期間を聞いています。
一番多い回答は「1週間~1カ月」で、「3カ月以上」も我慢している人もいます。
症状があっても、病院に行くのには時間がかかることが分かります。
病院に行くまでに時間がかかった理由は、「まず様子をみようと思った」が、ほとんどでした。
さらに「病院に行くのが面倒だった」「病院に行くのが怖かった」という人もいます。
病院に行くことに抵抗を感じて、決心するまでに時間がかかる人が多いことが分かります。
気持ちは分かりますが、病気によっては、診察を受ける時期が、その後の病状に大きく影響することも珍しくありません。
自分の身体の不調を自覚したら、すぐに予約を入れて、早めに診察を受けましょう。