駅員への暴力行為の加害者は「60代以上」が最も多い
「鉄道係員に対する暴力行為」のレポート
大手私鉄と公営地下鉄などの34の鉄道各社/各局が、「鉄道係員に対する暴力行為」に関する報告書を公開しています。
これは、駅員や乗務員が乗客によって暴力を振るわれたトラブルの発生状況をまとめたものです。
この記事では、平成29年度(2017年4月~2018年3月)のデータを紹介します。
1日1件以上発生している
平成29年度に起きた暴力行為の発生件数は「656件」でした。
駅員に対する暴行行為は、2011年の「911件」をピークに減り続けていますが、未だに1日1件以上の割合で割合で発生していることが分かります。
加害者は60代以上が最多
まず、暴力行為を行なった加害者の状況から見てみましょう。
加害者の年齢で一番多いのは「60代以上」で、全体の23%を占めています。
加害者の年齢が高くなるにつれて、暴力行為の件数が増えていく傾向があります。
6割近くが「飲酒」
加害者の59%は、お酒を飲んだ状態でした。
飲酒によって、心の抑制が外れやすくなった状態で、暴力行為に及ぶ例が多いことが分かります。
宴会の季節が危ない
次に、暴力行為の起きやすい状況を見ていきます。
トラブルが多い月は「4月」と「12月」です。
4月は新入学や就職、12月は忘年会の時期で、お酒を飲む機会が多いことが影響しているのでしょう。
トラブルは週末に多い
曜日別に見ても、週末の金曜日がトラブル発生のピークとなっています。
明日に休日を控えて、お酒を飲む機会が多い「週末」に起こりやすいことが分かります。
夜10時を過ぎた「深夜」が危ない
時間帯で見ると、「22時~5時」の「深夜」に多いことが分かります。
長時間の宴会やはしご酒で、お酒を飲みすぎてしまい、終電間際にトラブルを起こしやすいのでしょう。
改札やホームなど、駅構内で起きる
トラブルが発生する場所は、「改札」と「ホーム」が多くなっています。
この2つだけで、70%近くを占めています。
例えば、ホームで酔いつぶれてしまい、終電を逃した怒りを駅員にぶつけるなどの状況が想像されます。
「酒の上でのこと」では許されない
誰に対するものであっても、暴力は振るわれるべきではありません。
駅員に対する暴力は、駅構内で起きるだけに、ホームからの転落などの大きな事故につながる可能性もあります。
また、駅構内は公衆の場ですから他の人もいます。1つの暴力が、公共交通機関全体に対する不安感につながってしまうのです。
鉄道各社/各局においても、暴力行為に対しては毅然とした態度で対応することを強く訴えています。
さらに、警察官の巡回や警備員の配置、駅構内や電車内への監視カメラの設置などの対策もとられています。
暴力行為に及んだ場合は、「酒の上でのこと」では済まない状況になっており、加害者の人生にも影響が及びかねません。
宴会や飲み会でお酒を飲むときは、度を過ごさないように注意して、理性のあるうちに帰宅しましょう。