健康維持のための運動で、ヒザや腰を痛める人が半分もいる
健康維持のための運動についてのアンケート
ミクシィグループのヘルスケア事業会社スマートヘルスが、「中高年における健康維持・増進のための運動に関する調査」の結果を公開しています。
インターネットによる全国調査で、50歳から79歳の男女600人が回答しています。
調査対象は、現在もしくは50歳以降に、健康維持と増進を目的にして、30分以上の運動を週2回以上行なっている人です。
回答者の半分が運動による痛みを経験
「運動によって、身体に痛みが出た経験がある」人は、ほぼ半数でした。
痛みの種類は、「膝痛(しっつう)」と「腰痛(ようつう)」が多く、「そのほか関節痛」が続いています。
運動のしすぎなどで、ヒザや腰などの関節に負荷がかかりやすいことが分かります。
痛みがあっても運動は続けている
身体の痛みを経験した後でも、「それまでと変わらず運動を続けた」人が多く、4割を超えています。
「運動の頻度を減らした」が3割で、「運動の種類を変えた」が1割ちょっとです。
多少の痛みはあっても、運動をやめる人は1割もいません。
身体の状態は把握していると思っている
「自身の健康や身体の状態を把握したうえで、それに合わせた運動を行なっている」と考えている人は、8割を超えています。
身体の状態の把握方法は、「自宅での計測(血圧計/体組成計など)」が多く、6割を超えます。
「会社や地域の健康診断」が、3割ほどで続きます。
専門家によるコメント
この調査結果に対して、京都大学大学院 予防理学療法学講座の建内宏重(たてうちひろしげ) 特定准教授は、次のようにコメントしています。
自分の健康や身体の状態を把握し運動を行なっているのにもかかわらず、身体に痛みが出てしまうのは、二つの可能性が考えられます。まず一つは、“自分の健康や身体の状態を把握する方法”が適切ではないことです。
身体の状態を把握するための方法として、多くの方は自宅での簡易な計測や健康診断などを挙げられています。
病気の早期発見に健康診断はもちろん大切ですが、適切な運動を行なっていくための身体の状態の把握としては、専門的な見地から身体の運動機能を多面的に評価することが重要です。
もう一つの可能性としては、行なっている運動の方法が適切でないことです。
適切な評価を行ない弱点が把握できたとしても、運動の方法、具体的にはトレーニングの負荷量や身体の動かし方が適切でなければ、症状を悪化させる可能性があります。
例えば、トレーニングでよく用いられるスクワット運動も、実は正しい方法で行わなければ腰や膝を痛める可能性が高い運動です。
適切な方法で運動できているかどうかは自分ではわかりにくいため、理学療法士などの専門家にチェックしてもらうことが重要です。