「アンケートに答えるだけで1万円」と誘う、架空のカリスマ

[2018/11/14 00:00]

アンケートサイトをもとにした危険な商法

消費者庁が、インターネットアンケートを利用した入会金商法について警告しています。

これは、「一般社団法人 日本統計機構」が、「アンサーズ.com」というサイトで行なっていたものです。

消費者庁では、事業者名を公開して、利用しないように呼びかけています。

「報酬を受け取るために入会金が必要」

日本統計機構の手口は、次のとおりです。

  • 「たった1分で1万円の現金をラクラクGET!」などの広告で、「アンサーズ.com」のサイトに誘導
  • 「会員になってアンケートに回答することで1万円もらえる」と称して、仮会員として登録させます。
  • 日本統計機構が提供するアンケートに回答させます。
  • サイトに報酬額が表示され、現金が貯まっているように錯覚させます。
  • 貯まった現金を手に入れるためには、本会員に登録する必要があるとして、入会金25万円を振り込ませます。
  • これをクリアすれば報酬が得られるようになると言って、課題が課せられます。
  • 課題に対して、いろいろと難癖を付けて、回答のやり直しを繰り返し指示します。どのように回答しても、課題がクリアできず、報酬を得ることができません。

お金を出す企業も、カリスマも実在しない

消費者庁の調査によって、次の事実が判明しています。

  • 「実際に出題されるアンケートを提供しているのも超有名企業ばかりなのです。その数なんと1200社」とありますが、報酬を支払っている企業は存在していませんでした。
  • 勧誘の動画には、アンサーズの創始者で日本統計機構代表理事の神山雄一と称する者や、「本登録会員で月収450 万円を稼いでいる」という者が登場しますが、神山は日本統計機構がカリスマ的な指導者を演じさせた架空の人物であり、他の者も架空の人物で演者にすぎません。

つまり、すべてがウソであり、「アンサーズ.com」の会員となって稼いでいる人は1人もいませんでした。

出典:消費者庁

同様の業者が登場する可能性は高い

2018年11月の時点で、「アンサーズ.com」は閉鎖されています。

しかし、「一般社団法人 日本統計機構」は存続しており、所在地は、住所など提供するバーチャルオフィスのものに変更されています。

消費者庁は、この法人以外にも、同様の手口で勧誘する業者が出てくる可能性が高いと警告しています。

「簡単に稼げる」を信じてはいけない

消費者庁では、消費者に対して、次にようにアドバイスしています。


 インターネット上には、誰でも簡単に稼げるかのような表現を用いるウェブサイトや動画が氾濫しています。また、SNSやメール等で本件のようなビジネスに勧誘されることもあります。

 簡単に稼げると思って多額のお金を支払ったものの、想定していた収益が得られなかったなどとする相談が数多く寄せられています。

 簡単に大金が得られるような表現があれば、まずは疑い、甘い言葉に決してだまされないでください。簡単に高額収入を得られることを強調する広告や宣伝には、特に注意が必要です。契約をする前に冷静に考えましょう。

取引に関して不審な点があった場合は、お金を支払う前に、各地の消費生活センター等や
警察に相談しましょう。

[シニアガイド編集部]