半分以上の人が、来年から始まる「有給休暇取得の義務化」を知らない

[2018/11/21 00:00]

有給休暇の義務化に関するアンケート

総合転職エージェントのワークポートが「有給休暇取得の義務化」についてのアンケート結果を公開しています。

2018年10月に行なわれたインターネットアンケートには、20~40代の男女480人が回答しています。

この記事では、アンケートの結果を紹介し、最後に「有給休暇取得の義務化」についておさらいします。

半分以上の人が「義務化」を知らない

「来春から有給休暇の取得が企業に義務化されることは知っていたか」という質問に、「はい」と答えた人は48.5%でした。

義務化まで、あと半年足らずしかありませんが、半分以上の人は知らないことが分かります。

出典:ワークポート

有給休暇を取ることに抵抗がある

「有給休暇を取ることに抵抗を感じるか」という質問に対して、41.5%の人が「はい」と回答しています。

有給休暇という制度が用意されていて、自分も休みたいと思っていても、休みにくい雰囲気が職場にあることが分かります。

出典:ワークポート

休みにくい雰囲気の表れとして、次のようなコメントが寄せられています。

  • まわりが取得していないから(20代女性:営業)
  • まわりに迷惑がかかる(40代男性:製造)
  • 上司や他の社員からのプレッシャーがある(30代男性:営業)

有給休暇を取ることが義務化されることによって、このような雰囲気が変わることが期待されます。

会社側の取り組みはこれから

「勤務先が有給休暇取得率向上のための取り組みを行なっているか」という質問に対して、「行なっている」と答えた人は23.3%でした。

「今後行なう予定だと聞いている」という合わせても30.0%にとどまっています。

「有給休暇取得の義務化」に向けて、会社としての取り組みは、まだ遅れていることが分かります。

出典:ワークポート

なお、実行されている取り組みとしては、次のような例が挙がっています。

  • 年間の取得予定を申告する
  • 部下の有給休暇の取得を管理者の成果に加える
  • 情報共有を行ない休みやすい環境をつくる

職場の雰囲気を変えるためにも、会社側の取り組み進むことが期待されます。

4月からは、有給休暇が強制される

最後に「有給休暇取得の義務化」について、おさらいをしておきましょう。

働き方改革関連法による労働基準法の改正により、年次有給休暇について、時季指定義務制度が設けられました。施行は2019年4月です。

すべての企業におい て、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、有給休暇の日数のうち「年5日」については、会社が時季を指定して取得させることを義務付けられます。

つまり、有給休暇を取らない社員に対して、会社が強制的に休暇日を指定して有給休暇を取らせることになります。

なお、会社が何もしなかった場合は、労働基準法違反となります。つまり、懲役や罰金などの罰則の対象となります。

出典:厚労省

ちなみに、有給の日数も労働基準法で決まっています。

正社員であれば6カ月勤めると、10日間の有給休暇が付与されます。

つまり、4月1日に入社すると、10月1日から10日間の有給が取れるようになります。

パートなどの場合は、勤務日数によって変わりますので、勤務先に確認してください。

[シニアガイド編集部]