東京に住み続けたくない理由の1位は「生活費が高いから」
都民に聞いた定住意識
東京都が「都民生活に関する世論調査」の結果を公開しています。
2018年7月から8月にかけて行なわれた調査は、都内の18歳以上の男女を対象としています。
調査方法は戸別訪問による面接で、1,856人から回答を得ています。
ここでは、「東京への定住」に絞って紹介します。
東京に住み続けたい人は78%
「あなたは、東京に今後もずっと住みたいと思いますか。それとも、住みたくないと思いますか」と、東京に定住する意向があるかどうかを聞いています。
「ずっと住みたい」人は78%でした。
「住みたくない」、つまり定住したくないという人が10%です。
「わからない」という人も12%います。
男女とも「30代」は東京嫌い
「ずっと住みたい」という人の割合を年齢別に見ると、男女とも「30代」が一番少なくなります。
結婚したり、子育てが始まる人が多い世代なので、「このまま東京で住み続けて良いだろうか」と悩む時期なのでしょう。
また、男性のみ「50代」になると「ずっと住みたい」という人が少なくなります。
同じ「50代」でも女性は81%なのに対して、69%まで下がっています。
定年を意識し始める年代なので、故郷に帰ることや、田舎暮らしを夢見る男性が多いのでしょう。
住み始めてから「10年目」が区切り
東京に住み始めてからの「居住年数別」に見ても、面白い傾向があります。
「ずっと住みたい」という人の割合は、居住年数が「5~10年」が一番少なくなります。
だいたい、周囲の環境が分かってきて、東京から離れたくなる頃合いなのでしょう。
しかし、10年目を過ぎ、居住年数が「10~15年」になると、「ずっと住みたい」という人が15%も増えます。
東京を離れたいという人は、10年目を前にして、故郷に戻ったり、新天地を求めてしまうのでしょう。
東京に住み続けるかどうかは、「10年」が一つの区切りとなるようです。
東京に住み続けたい理由
最後に、東京に住み続けたい理由と、住みたくない理由を見てみましょう。
住み続けたい理由で、一番多いのは「交通網が発達していて便利だから」でした。
二番目は「東京に長く暮らしているから」です。
三番目の「医療や福祉などの質が高いから」までは、30%以上の支持を集めています。
東京に住みたくない理由
一方、東京に住みたくない理由の一位は、「生活費が高いから」でした。
あまり差がなく、「人や車が多すぎるから」が続きます。
三番目の「住宅が狭い・密集しているなど住宅事業が悪いから」までが30%以上となっています。
同じ環境でも人によって受け止め方は違う
東京に住み続けたい理由として、「人間関係がわずらわしくないから」を挙げている人が11%いました。
一方で、東京に住みたくない理由として「人間関係が希薄だから」を挙げている人が12%います。
つまり、同じものごとであっても、それをどう受け取るかは、人それぞれなのです。
東京に住み続けるべきかどうか迷ったときは、社会的な条件だけではなく、自分の性格や好みから素直に考えると、答えが出しやすいかもしれません。