自分の老後を考えるための3つのグラフ
自分の年齢と平均余命
老後の生活設計を考えるときに、自分が何歳まで生きるのかという情報は大切です。
こういうことを考えるときの基本となる情報は、日本人の「平均寿命」です。
2018年の時点の「平均寿命」は、男性が81.09歳、女性が87.26歳です。
では、これから自分の年齢を引けば、自分の余命が分かるかというと、そうではありません。
その場合は、各年齢ごとに計算された「平均余命」を見なければいけません。
例えば、自分が60歳の男性だとすると、平均寿命81.09歳から60を引いた「21.09年」が余命ではなく、平均余命の「23.72年」が正しい答えとなります。
つまり、60歳+23.72年で、84歳近くまで生きると考えて生活設計をする必要があります。
成人後の主な年齢の平均余命は、次のようになります。最初が男性で、次が女性です。
各年齢ごとの平均余命
- 20歳 61.45年 67.57年
- 30歳 51.73年 57.70年
- 40歳 42.05年 47.90年
- 50歳 32.61年 38.29年
- 60歳 23.72年 28.97年
- 70歳 15.73年 20.03年
- 80歳 8.95年 11.84年
- 90歳 4.25年 5.61年
- 100歳 1.80年 2.37年
ご覧のように、どの年齢をとっても、男性より女性の方が余命が長いことが分かります。
各年齢ごとの平均余命をグラフ化すると、それがよく分かります。
死亡数が多い年齢を見る
個人の平均余命は分かったとしても、全体の傾向は分かりません。
例えば、何歳で死んでいる人が、一番多いのか知りたいところです。
首相官邸で行なわれている未来投資会議という会議の資料に、その答えがありました。
これは、10万人の集団を想定して、簡易生命表の死亡率通りに死亡していったと想定したグラフです。
これを見ると、男性は「87歳」、女性は「93歳」で死亡する人が一番多くなります。
平均寿命よりも、男女とも6歳ぐらい長くなります。
統計によるものであって、実際の状況ではありませんが、それなりにリアリティがある数字と言えるでしょう。
自分や身の回りの人の将来を考えるときの目安として、覚えておきましょう。
健康寿命も覚えておこう
最後に「健康寿命」を見てみましょう。
健康寿命は、健康上の問題がない状態で、日常生活を送れる期間です。
これを見ると、男性が「72.14歳」、女性が「74.79歳」です。
平均寿命から健康寿命を引いた「不健康な期間」は、男性が8年~9年、女性が12年に及びます。
なお、21世紀に入ってから、平均寿命は延びていますが、「不健康な期間」は横ばいが続いています。
余命はあっても、日常生活に支障がある状態なのは望ましくありません。
日常生活の中で食事や運動などに配慮して、少しでも健康寿命を伸ばすように努力しましょう。
平均値ぐらいまでは生きると思って準備をしよう
「平均寿命」や「平均余命」「健康寿命」は、各種の調査をもとにした統計的な数字です。
それより、長く生きる人もいれば、早く死ぬ人もいます。
ですから、自分の余命を「あと何年」と確定できるわけではありません。
ただし、自分の寿命は自分では決められません。
少なくとも、平均値までは生きることを想定して、日頃から準備をしておきましょう。
例えば、自分は早死にすると、勝手に決めつけて、将来の準備を放棄するような生き方は、不幸な老後へと続く道筋です。