マイナンバーカードを取った人は27%。取得予定がない人が半分以上
マイナンバーについての世論調査
内閣府が「マイナンバー制度に関する世論調査」の結果を公開しています。
マイナンバー制度の導入から2年余りが経過した時点での、国民の意識を知ることを目的とした調査です。
2018年10月に行なわれた調査には、18歳以上の1,671人が回答しています。
この記事では、マイナンバーカードについての内容に絞って紹介します。
マイナンバーカードを持っている人は27%
マイナンバー制度では、全国民に配布された「通知カード」とは別に、顔写真付きの「マイナンバーカード」が用意されています。
マイナンバーカードは、マイナンバーの証明の他に、身分証明書としても機能します。
マイナンバーカードの交付は、もよりの役所で行なわれており、費用はかかりません。
しかし、今回の調査によれば、マイナンバーカードを取得している人は「27%」しかいません。
「取得していないが、今後取得する予定」の人を併せても「44%」に留まっています。
つまり、半分以上の人は、マイナンバーカードを取得する予定がありません。
「身分証明書」が最大の目的
マイナンバーカードを取得した人に、その理由を聞いています。
一番多いのは「身分証明書として使えるから」でした。
次に多いのが「将来利用できる場面が増えると思ったから」で、将来への期待があることが分かります。
そして、「住民票などがコンビニで取得できるから」「職場などで必要になったから」「確定申告などの行政手続きをインターネットで行なえるから」など、具体的な用途が続きます。
取らない理由は「必要性を感じない」
一方、マイナンバーカードを取得していない人に、その理由を聞いています。
一番多いのは「取得する必要性が感じられないから」でした。
次に多いのが「身分証明書になるものは他にあるから」です。
「個人情報の漏洩(ろうえい)が心配だから」「紛失が盗難が心配だから」「申請手続が面倒だから」などが続きます。
使う機会は会社関係や業務が多い
最後に、マイナンバーカードに限らず、「マイナンバーを提示した状況」を見てみましょう。
一番多かったのは「マイナンバーを届け出たり、記載する機会がなかった」です。
実際に使った場面では「職場やアルバイト先で給料や社会保険の手続きをしたとき」でした。
会社勤めの人は、会社へのマイナンバーの提示が必要となっていることが分かります。
そして、「年末調整や確定申告をしたとき」「証券取引や不動産取引をしたとき」が続いています。
業務上の理由で、マイナンバーを使う人も多いのです。
マイナンバーが必須になる場面は増えていく
この調査結果のように、現在ではマイナンバーを利用する機会は、まだ多くありません。
しかし、マイナンバーが必要な場面は少しずつ増えています。
マイナンバーの導入は、税、社会保障、災害対策の3分野から始まりましたが、2018年現在では証券取引などでも必要となっています。
また、現在は任意とされている銀行口座へのマイナンバーの登録が、2021年以降には義務化されます。
今後は、公的な制度を利用する場面だけでなく、資産の移動に関わる場面については、マイナンバーが必須となっていくでしょう。