60代後半でも、男性の2人に1人、女性の3人に1人は働いている
65歳まで働く覚悟が必要
「何歳まで仕事をするか」を決めるには、自分の意志とは別に経済的な側面についても考える必要があります。
例えば、「できるだけ早く仕事を辞めたい」と考えているアーリーリタイア志望の人でも、経済的な裏付けがなければ、生活が行き詰まってしまいます。
例えば、「60歳定年」のサラリーマンが、60歳で働くのを止められるかというと、なかなか難しくなっています。
老後を支えるための老齢年金の支給開始が「60歳」から「65歳」へと上げられている最中だからです。
具体的に言えば、男性は1961年4月2日以降、女性は1966年4月2日以降に生まれた人は、65歳以前にはもらえる年金はありません。
もし、60歳で定年になったとしたら、継続雇用制度などを利用して、65歳までは働かざるを得ないでしょう。
実際に「60~64歳の男性」について、就業率の変化をみると、働く人の割合が増え続けています。
年金の支給が始まる65歳まで働くことは、当然の前提となりつつあるのです。
60代後半以降は、いつまで働くか
では、65歳までは働くとして、その後は、何歳まで働けば良いのでしょう。
男女別の就業率を、5歳区切りでグラフにしてみました。
就業率とは、働いている人の数を、その年代の人口で割ったものです。
男性の場合、「65~69歳」になっても、就業率が55%ですから、半分以上の人が働いています。
つまり、60代のうちは、働くことを前提にして良いでしょう。
そして、「70歳~」になっても、就業率が21%ありますから、5人に1人は仕事をしています。
女性は、男性よりも就業率が低いのですが、それでも「65~69歳」では3人に1人は働いていますし、「70歳~」でも10人に1人は働いています。
つまり、働くことが好きであれば、男女とも70歳を過ぎても働き続けることができます。
実際、60歳以上で働いている人に限れば、8割以上は70歳以降も働きたいというアンケート結果もあります。
社内の先輩たちにも注目しておこう
というわけで、あなたが、50代であれば、「65歳までは働く」ことを前提に考えましょう。
60代後半からどうするかは、「年金の支給開始年齢の引上」の動向を見ながら検討しましょう。
支給開始年齢が引き上げられる場合は、雇用も確保されると思われます。
しかし、その会社で働き続けて、どんな仕事が用意されるかを考える必要があります。
いまから、社内にいる高齢者の動向にも注目して、情報を集めておきましょう。