80代で働いている人は「8%」、9割が自営業

[2018/12/6 00:00]

高齢者の働きかたを見る調査

「何歳まで働くか」というのは、老後を考えるときに、必ず考えなければならない問題です。

この記事では、国が行なった「高齢者の健康に関する調査」から、就労状況についての結果を抜き出して紹介します。

この調査は、2017年12月から2018年1月に行なわれ、55歳以上の男女1,998人から有効回答を得ています。

調査は面接方式で行なわれており、インターネットが利用できない高齢者からも、有効な回答を得ています。

収入のある仕事は「65歳」がめど

まず、回答者に対して「現在、収入のある仕事をしているか」と聞いています。

この回答を年齢別に見ると、「55~59歳」では「仕事をしている人」が80%で、「仕事はしていない人」が20%でした。

年齢が高くなるにつれて、「仕事をしている人」は減り続け、「65~69歳」になると「仕事をしていない人」よりも少なくなります。

現在、会社員では「65歳までの雇用」が義務化されているので、それが一つのきっかけとなっているのでしょう。

つまり、「65」が、仕事を続けるかどうかを判断するめどとなっています。

出典:データを基に編集部が作成

80代になっても働き続けたいなら「自営業」

次に「収入のある仕事をしている人」に、その職種を聞いています。

「55~59歳」では、在宅以外の「社員/職員」が一番多くなっています。全体の67%を占めています。

二番目に多いのが「自営業/個人事業主」で23%です。

三番目に「役員その他」が入り、全体の4%です。

年齢が高くなるにつれて、「社員/職員」は減っていき、「80歳以上」では0%になります。

一方、「自営業/個人事業主」の割合は増えていき、「65~69歳」で「社員/職員」を抜きます。

70代では半分以上を占め、「80歳以上」で働いている人の89%を占めています。

つまり、80代になっても働き続けている人の9割は、自営業なのです。

面白いことに、「役員その他」は、年齢による変動がほとんどなく、「80歳以上」になっても8%を占めています。いったん役員になると、年齢に関わらず働き続けられるのでしょう。

80代になっても、働き続けたいならば、「自営業」または「役員」を目指しましょう。

出典:データを基に編集部が作成

「働き続けたい」年齢は「70歳」

今度は、現在ではなく、将来において「その年齢になっても働き続けたいかどうか」を聞いています。

「61~65歳」では、98%の人が「働き続けたい」と思っています。

現在は、「65歳」までは現役であると思っている人が多いのです。

しかし、想定の年齢が高くなるにつれて、「働くつもりはない人」が増えていきます。

「働くつもりはない」方が多くなるのは、「71~75歳」です。

「70歳になったら引退する」のが、一つの目安といえるでしょう。

さすがに「81歳以降」になると、82%の人が「働くつもりはない」と回答しています。

出典:データを基に編集部が作成

働き方の希望は、人によって違う

「その年齢になっても働き続けたいかどうか」という質問に「81歳以降も働き続けたい」と答えた人は、18%しかいません。

しかし、その人達に、「週に何時間働きたいのか」と聞くと、平均で「27.7時間」と答えています。

つまり、週5日働くとすれば、1日5~6時間は働きたいと言うのです。

希望する労働時間から分かるように、この方々は、仕事が好きで「働き続けられる限りは仕事を続けたい」のです。

同じ年代の人の8割以上が「働くつもりはない」と考えていることは、この方々には関係のないことなのです。

「何歳まで働くか」「どんな形で働くか」ということについての希望は、人それぞれで、異なるものであることが分かります。

周囲の状況を見ることも必要ですが、最後は「自分がどのように働きたいのか」ということで、キャリアの終わりを判断しましょう。

[シニアガイド編集部]