将来を考える30代と40代が「つみたてNISA(ニーサ)」を始めている
開始から9カ月の状況
2018年1月に始まった新しい無税の投資制度「つみたてNISA(ニーサ)」について、日本証券業協会がレポートを公開しています。
「つみたてNISA」は、銀行や信用金庫などの金融機関でも扱っていますが、多くは証券会社が取り扱っています。
この記事では、つみたてNISAを始めた人の年齢を中心に紹介します。
まだ規模は大きくない
証券会社が取り扱っている「つみたてNISA」は、2018年9月末時点で「45万口座」でした。
一般NISAの676万口座に比べると、まだ口座数は多くありません。
しかし、制度開始から9カ月ということを考えれば、まあまあの出足と言えるでしょう。
「つみたてNISA」の口座を持っている人たちが、投資信託を購入した総額は「350億円」です。
これも「一般NISA」の9兆6,968億円に比べると多くありません。
これは、長期的な積み立てが行なわれれば増えていくでしょう。
投資をしているのは「30代」と「40代」が中心
つみたてNISAが、これまでの一般NISAと異なるのは、最長で20年間に渡って、積み立て投資をすることです。
一般NISAが、現在の投資を有利に行なうための制度とすれば、つみたてNISAは将来のために投資を行なう制度と言えるでしょう。
両者の性格の違いは、それぞれの口座を開設した人の年齢分布にも表れています。
一般NISAでは、投資する資産がある「60代」と「70代」が多くなっています。
これに対して、つみたてNISAは「30代」「40代」の比較的若い層が中心です。
30代や40代から始めれば、定年までに、20年間の積み立てができますから、つみたてNISA適齢期と言えるでしょう。
老後に備えて、年金や退職金を補うための投資として、利用されていることが分かります。
年間40万円まで積み立てできる無税制度
最後に、つみたてNISAの制度について、簡単におさらいしておきましょう。
つみたてNISAは、毎月一定の金額を長期的に積み立てして、大きな財産を作ることを目的としています。
2018年1月に始まった、新しい投資制度です。
1年間に投資できる金額は「40万円」までです。
毎月積み立てを行ない、自分で選んだ投資信託で、20年以内で運用します。
つまり、つみたてNISAで投資できる金額は、40万円×20年で最大800万円ということになります。
つみたてNISAの最大の利点は、口座で行なった取引については、投資で得た利益に税金がかかりません。
また、金融庁の意向で、つみたてNISA用に用意される投資信託は、経費などが少なく、比較的安全な商品が選ばれています。
老後のために備える制度の一つとして、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」などとともに、ぜひ検討してください。