お仏壇の売れ筋は「5~15万円」のコンパクトタイプ
実際に仏壇を購入した人へのアンケート
仏壇ポータルサイト「いい仏壇」を運営する鎌倉新書が、「仏壇購入実態調査」の結果を公開しています。
2018年12月に行なわれた調査では、「いい仏壇」からクーポンを発行したユーザー、433名が回答しています。
一番売れているのは「5~15万円」
仏壇の平均購入価格は「33万6千円」でした。
しかし、一番数が売れているのは「5~15万円」の価格帯です。
一部の高額な仏壇が、平均購入価格を引き上げていることが分かります。
平均で30万円台という金額を聞くと、腰が引けてしまいますが、実際には5万円ぐらいから購入している人が多いということは覚えておいて良いでしょう。
また、平均購入価格は、昨年よりも少し下がりました。
これについて鎌倉新書では、「仏壇のサイズは住まいの狭小化に伴って小型化が進んでおり、コンパクトなタイプが主流となりつつあるため、平均購入価格が微減している」と分析しています。
ミニ仏壇やモダン仏壇が人気
購入した仏壇の種類では、「上置き型のミニ仏壇」と「台付きの家具調・モダン仏壇」が、ほぼ並んでいます。
1位の「上置き型のミニ仏壇」は、コンパクトで家具などの上に置くことができます。
場所を選ばすに置けるのが利点で、購入者の半分がリビングに置いています。
2位の「家具調・モダン仏壇」は、現代的な洋間にも合うように造られている仏壇です。
リビングのフローリングに調和するカラー展開や、数パターンのサイズ展開をしている商品もあり、部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます。
3位は「台付きの唐木仏壇」ですが、先の2つとはかなり差があります。
宗旨宗派の決まりごとよりも、価格などを優先
仏壇購入の際に重視するポイントは、「価格」「デザイン」「サイズ」の3つでした。
実は、その家が檀家(だんか)となっている檀那寺(だんなでら)や、先祖のお墓がある菩提寺(ぼだいじ)の宗旨によって、仏壇や仏具に違いがあります。
特に、浄土真宗は「真宗大谷派(東本願寺)」と「浄土真宗本願寺派(西本願寺)」という宗派によって、仏壇の構造が異なります。
しかし、現在、仏壇を購入する人は、そうした「宗旨宗派」の決まりごとよりも、自分の事情や自宅との相性などを優先して選択していることが分かります。
仏壇の役割は「故人の慰霊」
仏壇の役割として一番多い回答は「故人の魂を慰めるため」でした。
全体の6割以上の人が挙げています。
次いで、「故人と対話するため」も、半分以上の人が挙げています。
仏壇を購入している人には、「故人のための仏壇」という意識が強いことが分かります。
鎌倉新書では、「元来、仏壇はご本尊を安置して礼拝供養するための『家の中にある小さなお寺』のような存在ですが、仏壇を購入するほとんどの人が、故人の魂を慰め、対話することで、故人と遺された人々をつなぐ装置と考えていることがわかった」としています。
このように考えれば、仏壇を選ぶ際に、宗旨宗派の決まりごとよりも、価格やデザインなどが優先されるのも、もっともなことでしょう。