起業を考えたときに、真っ先に読みたい「業種別開業ガイド」
起業するときに数字を考えている人は少ない
ある日、サラリーマンのあなたが、いまの仕事を辞めて、独立して起業しようと思い立ったとします。
しかし、多くの人は、その職種について調べたりせずに、自分の「儲かりそうだから」とか「自分がやりたいから」という気持ちだけで準備を進めてしまいます。
例えば、開業までにどれぐらいの資金が必要で、どのように利益が出て、何年目に赤字から脱出できるのかという計算を立てて独立する人はめったにいません。
それを考えるのは、起業が決まり、銀行などからお金を借りるのに、あわてて経営計画書を作る段階になってからという人が多いのです。
素人目にも、「どうやって黒字にするつもりだろう」と不安になるような店舗ができては、半年も持たずに閉店してしまう例が絶えないのは、意欲はあっても、数字を考えていない起業家が多いからでしょう。
無料で公開されている「業種別開業ガイド」
しかし、数字が大事と言われても、実際に、その職業について具体的なデータを知ることは簡単ではありません。
例えば、どこかの店頭で「大将、景気が良いね、今年の利益は何万円だい」と聞いても、まともに答えてくれるわけがありません。
そういうときに、まず見ておきたいのが「業種別開業ガイド」です。
「業種別開業ガイド」は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構の起業支援サイト「J-Net21」の1コーナーです。
そこには、「飲食業」「サービス業」「専門サービス業」「小売業」「IT関連業」「医療/福祉」の各分野に渡って、200以上の業種や職種の『開業準備手引き書』が集められています。
例えば、「ベーカリー」「デイサービス」「陶芸教室」「ECコンサルタント」「YouTuber(ユーチューバー)」など、メジャーなものからマイナーなものまで揃っています。
ここで無償公開されている『開業準備手引き書』には、それぞれの職種における「 営業上の留意点」「経営上の留意点」「開業費用」「 売上シュミレーション」が掲載されています。
どれぐらいの開業資金が必要で、どれぐらい働ければ、いくら稼げるのかという情報を得ることができるのです。
もちろん、これは一つの情報であって、売上や利益を保証するものでもありません。
しかし、「起業」を考えるときには、いきなり準備に走るのではなく、とりあえず客観的な態度で、第三者が集めたデータを見ることも重要でしょう。
「起業」を考えたときは、まず、その職種を「業種別開業ガイド」で探してみましょう。
「市場調査データ」も無料で見られる
起業支援サイト「J-Net21」では、他にも役に立つコーナーがあります。
- 市場調査データ
職種別の消費者利用動向がすぐにわかるデータ一覧 - ビジネスQ&A
経営上直面する疑問に一問一答形式で回答 - 起業マニュアル
事業計画や起業準備、開業までの流れを解説
とくに、「市場調査データ」は、その職種の現在の状況や、今後の利用意向などのデータが掲載されています。
その職種の将来性などを知るためには、必須の情報でしょう。
「業種別開業ガイド」と併せて、「市場調査データ」もチェックすることをおすすめします。