配偶者控除が「150万円」になっても、働き方を変えたパートは5%未満

[2019/1/26 00:00]

大きく変わった「配偶者控除」

2018年1月に所得税の「配偶者控除」の制度が変わってから1年経ちました。

この記事では、最初に制度の変更について簡単に紹介します。

そして、実際にパートタイマーの働き方が変わったかどうかをアンケートで検証します。

「103万円の壁」が「150万円」になった

「配偶者控除」は、年収が103万円までなら、配偶者の所得税から「38万円」を控除するという制度です。

そのため、「103万円の壁」と呼ばれ、自分の年収が103万円を超えないように働く時間を調整する人もいました。

2018年1月からも、「配偶者控除」は103万円で切れてしまうのですが、それに続く「配偶者特別控除」が変更されたので「103万円~150万円」までは「38万円」が控除されます。

制度の名前は、「配偶者控除」から「配偶者特別控除」に変わりますが、「年収が150万円までは、控除が38万円受けられる」ようになったのです。

下の図を見ると、配偶者特別控除によって「38万円」の範囲が広くなったことが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

変更を知っていた人は6割

ここからは、パート型人材派遣を行なっているソフトブレーン・フィールドが行なったアンケートの結果を紹介しましょう。

2019年1月に行なわれたアンケートには、695人の働いている女性が回答しています。

今回の配偶者控除の変更について知っていた人は「60.7%」でした。

知っていた人が6割、知らなかった人が4割というところです。

出典:データを基に編集部が作成

働き方を変えた人は5%以下

しかし、配偶者控除が変わったことによって、自分の働き方を変えた人は、わずか「4.7%」でした。

95%以上の人は、働き方を変えていません。

出典:データを基に編集部が作成

意識しているのは「103万円」。気にしていない人も多い

では、回答者は、どのような働き方をしているのでしょうか。

「103万円以内」にしている人が50.8%で、半分以上を占めています。

次に多いのが「気にしていない」で35.8%でした。

この2つだけで、全体の8割を超えています。

つまり、ほとんどの人は「103万円以内にする」か「気にしていない」のどちらかなのです。

今回できた「150万円以内」にしている人は1%ちょっとしかいません。

出典:データを基に編集部が作成

引き続き「103万円の壁」を意識している人が多い

このアンケートの結果をまとめると、今回、配偶者控除が「150万円」に変わったことで、働き方を変えた人は少ないことが分かりました。

年収による壁を意識している人の多くは、制度が変わったにも関わらず、引き続き「103万円」の壁を意識しているのです。

[シニアガイド編集部]