配偶者控除が「150万円」になっても、働き方を変えたパートは5%未満
大きく変わった「配偶者控除」
2018年1月に所得税の「配偶者控除」の制度が変わってから1年経ちました。
この記事では、最初に制度の変更について簡単に紹介します。
そして、実際にパートタイマーの働き方が変わったかどうかをアンケートで検証します。
「103万円の壁」が「150万円」になった
「配偶者控除」は、年収が103万円までなら、配偶者の所得税から「38万円」を控除するという制度です。
そのため、「103万円の壁」と呼ばれ、自分の年収が103万円を超えないように働く時間を調整する人もいました。
2018年1月からも、「配偶者控除」は103万円で切れてしまうのですが、それに続く「配偶者特別控除」が変更されたので「103万円~150万円」までは「38万円」が控除されます。
制度の名前は、「配偶者控除」から「配偶者特別控除」に変わりますが、「年収が150万円までは、控除が38万円受けられる」ようになったのです。
下の図を見ると、配偶者特別控除によって「38万円」の範囲が広くなったことが分かります。
変更を知っていた人は6割
ここからは、パート型人材派遣を行なっているソフトブレーン・フィールドが行なったアンケートの結果を紹介しましょう。
2019年1月に行なわれたアンケートには、695人の働いている女性が回答しています。
今回の配偶者控除の変更について知っていた人は「60.7%」でした。
知っていた人が6割、知らなかった人が4割というところです。
働き方を変えた人は5%以下
しかし、配偶者控除が変わったことによって、自分の働き方を変えた人は、わずか「4.7%」でした。
95%以上の人は、働き方を変えていません。
意識しているのは「103万円」。気にしていない人も多い
では、回答者は、どのような働き方をしているのでしょうか。
「103万円以内」にしている人が50.8%で、半分以上を占めています。
次に多いのが「気にしていない」で35.8%でした。
この2つだけで、全体の8割を超えています。
つまり、ほとんどの人は「103万円以内にする」か「気にしていない」のどちらかなのです。
今回できた「150万円以内」にしている人は1%ちょっとしかいません。
引き続き「103万円の壁」を意識している人が多い
このアンケートの結果をまとめると、今回、配偶者控除が「150万円」に変わったことで、働き方を変えた人は少ないことが分かりました。
年収による壁を意識している人の多くは、制度が変わったにも関わらず、引き続き「103万円」の壁を意識しているのです。