腕へのマッサージは幸福感を増し、脚へのマッサージは記憶を呼びさます
マッサージする場所によって脳波に変化
一般社団法人 日本介護美容セラピスト協会が、高齢者へのマッサージは、マッサージする部位により脳に与える影響に差があることを見つけたと発表しました。
具体的には、腕部へのマッサージは、情動や幸福感に関する脳波活動が活発となり、脚部へのマッサージは、情動や記憶に関する脳波活動が活発になるとしています。
つまり、腕へのマッサージは幸福感を増し、脚へのマッサージは記憶をよびさますというわけです。
腕へのマッサージは幸福感を増す
今回の研究は、京都橘大学と共同で行なわれました。
要支援または要介護認定を受けた高齢者12名に対して、マッサージを行ない、脳波計測を行なっています。
1週間後に、マッサ―ジする場所を変えて、計測を行ない、マッサージする部位による脳波の変化を比較しています。
マッサージは、日本介護美容セラピスト協会の認定を受け、5年間の実務経験がある「ビューティタッチセラピスト」が行ないました。
その結果として、腕と足では次のような差が出ました。
腕部へのマッサージ後の脳波計測において、情動や幸福感に関連する島皮質のα帯域の活性化が認められた
脚部へのマッサージ後の脳波測定において、情動や記憶に関連する後帯状皮質のα帯域の活性化が認められた
身体にマッサージを行なうことで高齢者の行動面や心理症状の改善に効果的であることは既に明らかでしたが、部位別に行なうマッサージの効果について脳波計測による客観的な研究は過去に行なわれていませんでした。
セラピーの内容
認定セラピストが行なう「ビューティタッチセラピー」は、スキンケアやメーキャップ等を通して肌に触れることで、心や身体の健康を促す美容療法です。
ビューティタッチセラピーによって行なわれるマッサージは、次のように説明されています。
- ハンドセラピー
指先から腕までのやさしい手当です。血液やリンパの流れを促し「むくみ」の改善も期待できます。男女問わず施術できるコースです。 - フットセラピー
むくみや冷え、皮膚の硬化などが特に気になる、高齢者の足に特化したマッサージセラピーです。ふくらはぎを中心に刺激し、むくみ・足裏のアーチ崩れを防止し、転倒防止にもつなげていきます。
日本介護美容セラピスト協会は「ビューティタッチセラピー」を通して、高齢者を応援し、健康寿命の延伸をめざした新しいサービスの提案を事業として行なっている団体です。本部は大阪のナリス化粧品本社内にあります。
ビューティタッチセラピストの育成と認定や、介護施設と契約して、入居者に定期的に施術を提供する活動を行なっています。