介護保険の利用者の7割は女性。ピークは「85~89歳」

[2018/9/4 00:00]

介護保険のトピックを紹介

家族の老後を考える上で欠かせない介護保険ですが、その実態は、まだあまり知られていません。

ここでは、厚労省が公開した「平成29年度 介護給付費等実態調査」のデータを使って、いくつかのトピックを紹介します。

利用している人は、認定を受けた人の7割強

介護保険は、まず「介護認定」という審査を受けた上で、サービスの受給(利用)を申し込みます。

2018年4月の時点で、介護認定を受けた「認定者」は656万人、サービスを利用した「受給者」493万人でした。

介護認定を受けていても、実際にサービスを利用している人は75%に留まっています。

利用者は女性が7割を占める

2017年11月分の時点で、介護保険の「受給者」を性別で見ると、男性が30.5%、女性が69.5%でした。

「認定者」の男女比も、ほぼ同じで、女性が68%です。

介護保険を利用している人の7割は女性なのです。

出典:データを基に編集部が作成

利用者のピークは「85~89歳」

介護保険の受給者数を年代別に見ると、男女で傾向が異なっていることがわかります。

「65~69歳」だけは男性の方が多いのですが、70代に入ると女性の方が多くなります。

男女ともに、受給者数のピークは「85~89歳」です。

この時点で、女性の受給者は、男性の2.8倍に達しています。

そして、90歳を過ぎると、男性が極端に少なくなります。

出典:データを基に編集部が作成

90代の男性は少ないが、利用率も低い

90代になると、介護保険を受けている男性が少なくなります。

これは、90代の男性の数が少ないのでしょうか、それとも男性は90代になっても介護保険の利用率が低いのでしょうか。

それをはっきりさせるために、各年代ごとに、介護保険を使っている割合を計算しています。

各年代の受給者数を、総務省による年代別人口のデータで割ったものが、下のグラフです。

「90~94歳」や「95歳」のところを見ると、男性は女性よりも介護保険の利用率が低いことが分かります。

つまり、高齢の男性が少ない上に、介護保険を利用する率も低いのです。

出典:データを基に編集部が作成

「95歳以上」の女性は86%が利用している

さきほどのグラフを、各年代ごとに見てみましょう。

例えば、「65~69歳」で、介護保険を利用しているのは、男性は2.4%、女性は1.8%に留まっています。

ただし、年齢が進むと、男女に関わらず、介護保険の利用率が高くなります。

「95歳以上」になると、男性の70.9%、女性の86.8%は、介護保険を利用しています。

つまり、程度の差はありますが、90代に近くなると、かなり高い確率で、介護保険を利用することになります。

長生きをしたら、介護保険と関わりができることを前提として、いつでも使えるように、相談窓口などを確認しておきましょう。

[シニアガイド編集部]