残業が増えた理由は「人手不足」、減った理由は「残業規制」
[2019/4/18 00:00]
残業時間に関するアンケート
転職情報サイトの「エン転職」が、「残業時間に関するアンケート」の結果を公開しています。
2019年3月に行なわれたインターネットアンケートには、35歳以上の2,113人が回答しています。
1カ月の残業時間で最多は「20時間未満」
「1カ月の残業時間」で、一番多いのは「数分~20時間未満」でした。
次に多いのが「20時間~40時間未満」です。
「残業なし」も含めると、1カ月の残業時間が40時間未満の人は、全体の7割を占めています。
残業が増えている会社と減っている会社がある
「直近の残業時間の傾向」を聞くと、「変わらない」が半数を占めました。
「減少傾向」と「増加傾向」が、ほぼ同率で、4分の1ずつを占めています。
残業が増えた理由は「人手不足」
「残業時間が増加した理由」では、「社員の減少(退職/異動)」が一番多く、ここ数年続く人手不足の状況が影響していることが分かります。
残業が減った理由は「残業規制」
「残業時間が減少した理由」は、「残業規制による強制的な退社」が一番多く、他の理由を圧倒しています。
つまり、会社側が残業を禁止して、強制的に職場から退出させているわけです。残業規制が、早くも実際の勤務状況に影響していることが分かります。
残業規制には7割が「賛成」
ここまでのアンケートで、すでに現場にも残業規制の影響が出始めていることが分かりました。
さらに、2019年4月からは、企業へ「残業時間の上限規制」が義務付けられていきます。
このような「残業規制や残業撤廃」に対する賛否を問うと、「賛成」が70%、「反対」が30%でした。
残業規制は個人の生活にも大きく影響する
「賛成」の理由で多いのは次の4つです。
- 趣味など自分のための時間を持つことができる
- 規制があることで業務効率が上がる
- 周りに遠慮せず帰れる風土になる
- 家族サービスができる
「反対」の理由では、つぎの2つが多くなっています。
- 自宅への業務の持ち帰りやサービス残業を助長する
- 残業代がなくなり収入が減る
それぞれの理由を見ると、「趣味」「家族サービス」「持ち帰り残業」「収入源」など、個人の生活に影響する要素が挙げられています。
今後、残業に対する規制が強化されていくことで、一個人や家族としての暮らし方にも影響が出ることが予想されるアンケート結果でした。