転職後に給与が上がる職種、下がる職種
転職の理由は「低い年収」が多い
転職をする大きな理由の1つは「現在の年収が低いこと」です。もっと素直に言えば「給料が安くてやってられない」ことです。
つまり、転職することによって、新しい職場では年収が上がることを期待している人が多いのです。
しかし、実際には、転職後の年収が上がる人もいれば、下がる人もいます。
いったい、何が転職後の年収を決めているのでしょうか。
そのあたりの事情を、転職サイト「ミドルの転職」が行なったアンケートをもとに探って行きましょう。
2019年4月に行なわれたインターネットアンケートには、224人の転職コンサルタントが回答を寄せています。
転職後は年収が上がる人が多い
まず、転職によって年収が上がる人が多いのか、下がる人が多いのか聞いてみましょう。
転職コンサルタントの71%は「上がる人が多い」と回答しています。
ただし、28%の転職コンサルタントは「下がる人が多い」としています。
「年収が上がる人が多いけれど、下がる可能性も少なくはない」というところでしょうか。
意外と大きい「業種」の影響
転職後の年収を決める要素はたくさんあります。
例えば、その人の職種や役職、転職先の業種、その人の年令などです。
それぞれに特徴がありますが、特に「業種」の差は見逃せません。
例えば、「メーカー」は、「年収が上がる」が46%ですが、「年収が下がる」も57%あります。
つまり、上がる可能性も高いのですが、下がる可能性も覚悟しなければなりません。
それに比べると「IT/インターネット」は、「上がる」が44%で、「下がる」は14%しかありません。好調で人手不足な業種だけに、年収が下がる可能性が低いのです。
もっと極端なのは「流通/小売/サービス」です。
「上がる」は8%しかなく、「下がる」が39%もあります。
つまり、この業種では、転職をしたからと言って、年収が上がることを期待するのは難しいことがわかります。
それ以外の業種は、「上がる」と「下がる」の差が少なく、「業種」よりも、その人が持つ条件によって変わる可能性が高いことが分かります。
年収アップが期待できるのは「40代前半」まで
では、転職後に、年収が「上がる」か「下がる」かを決める要素としては、何が大きいのでしょうか。
この調査によれば、「年齢」の影響がとても大きいことが分かります。
例えば、その人が「30代後半」であれば、「年収が上がる」は67%と高くなっています。
「年収が下がる」可能性は18%しかありません。
しかし、「年収が上がる」の方が多いのは「40代前半」まです。
「40代後半」では、「上がる」が36%なのに対して、「下がる」が55%もあります。
「40代後半」からは「年収が上がる」可能性よりも、「年収が下がる」可能性の方が高くなるのです。
さらに、50代、60代と年齢が進むにつれて、年収が「下がる」ケースのほうが多くなっていきます。
まとめると、転職によって、年収が上がることが期待できるのは「40代前半」までとみて良いでしょう。
もうすこし強気で見ても「40代後半」までが目安でしょう。
それ以上の年齢でも転職は可能ですが、転職しても、年収が上がることを期待するのは厳しいと思った方が良いでしょう。