マンション住人の45%はリフォームを経験。リフォームの適齢期は築20年から
マンションの住人に聞いたリフォームの状況
自宅がマンションの場合、古くなったからと言って、一戸建てのように建て替えをすることはできません。
長く住んでいて、全体的に古くなってきたり、設備に不具合が出てきたときは、「リフォーム」を考えることになります。
この記事では、国土交通省が公開した「マンション総合調査結果」のデータを利用して、マンション住まいの人が、いつ頃から、どんなリフォームをしているのか紹介します。
リフォーム率は45%
調査の対象になった3,211人のマンション住人のうち、リフォームをしている人の割合は「45.3%」でした。
マンション住人の半分近くがリフォームをしていることになります。
リフォーム内容は「張り替え」と「設備の変更」
次に、リフォームの内容を見てみましょう。
一番多いのは、「クロス/フローリングの張り替え」でした。
つまり、壁紙や床材の張替えです。
汚れたり、傷が付きやすい壁紙や床材を新しくするだけで、新鮮な印象の部屋にすることができます。
次に多いのが「設備の変更」でした。
これは、キッチンやバスルーム、トイレなど、水回りの設備の手入れが多いと思われます。
例えば、システムキッチン、バスユニット、シャワートイレの交換などです。
「張り替え」と「設備の変更」の2つが、主なリフォーム内容で、それ以外はかなり少なくなります。
例えば、「間取りの変更」を行なっている人は、リフォーム全体の4分の1もいません。
実際に行なわれているリフォームは、「今ある間取りはそのままにして、壁紙の張替えや、水回りの設備の更新が中心」と考えて良いでしょう。
リフォームの適齢期は築20年ぐらい
次に、いつ頃からリフォームを考えるべきかを見てみましょう。
マンションが建った「築年」と、リフォームを行なった率をグラフにすると、その傾向が分かります。
マンションの築年が「1980年代」か、それ以前、つまり、40年以上前に建ったマンションの場合、80%以上がリフォームを行なってます。
1990年より前に建ったマンションでは、リフォームを前提にして考えた方が良さそうです。
また、築年が「1990年代」、つまり建ってから20年から30年ぐらい経過したマンションでは50%前後がリフォームを行なっています。
グラフでは赤い棒で示したあたりが、リフォームの適齢期であり、リフォームすべきかどうか迷う時期でもあるのでしょう。
建てられたのが「2000年」以降のマンションでは、築年に関わらずリフォーム率は30%前後です。
この年代の場合、中古で購入する際にリフォームをするなど、リフレッシュ的な意味合いが強く、築年に影響を受けにくいのでしょう。
ここまでの結果をまとめると、「マンションの築年から、20年を経過したらリフォームを検討し始める人が多く、40年を経過したらリフォームが必須になっている」と考えれば良いでしょう。
リフォームをする前に「住み続ける」意志の確認を
最後に、「いま住んでいるマンションに永住を希望するか、いつかは住み替えたいと思っているか」というデータを見てみましょう。
過去40年のデータを見ると、以前は「住み替え希望」が多かったのが、2000年以降は「永住希望」へと変わったことが分かります。
現在では、マンション住人の6割以上が「現在の部屋に最後まで住み続けたい」と思っているのです。
リフォームを検討するときは、自分が「永住希望」なのか「住み替え希望」なのかを、もう一度、よく考えてみましょう。
リフォームの内容を考えるのは、その結論が出てからでも遅くはありません。
「永住希望」であれば、ある程度の予算を割いて、自分が住みやすいようにリフォームして良いでしょう。
「住み替え希望」で、いつかは出ていく可能性があるならば、壊れたところの修復や、部品の交換などに留めることも検討しましょう。
リフォームをするということは、「このマンションの、この部屋に長く住み続けるという決意をする」ということでもあるのです。