私達は、いつ頃から「ケータイ」にお金を使うようになったのか
携帯電話に関する支出は見逃せない
「家計」とか「節約」について考えるときに、「携帯電話の通話料」は重要な要素です。
2人暮らし以上の家族でみると、毎月1万円程度の出費は珍しくありません。
私達は、いつの間に、こんなに携帯電話にお金を使うようになったのでしょう。
総務省のデータをもとにして紹介します。
携帯電話の契約数が固定電話を抜いたのは「2000年」
まず、携帯電話がどんなふうに増えてきたのかを確認してみましょう。
下のグラフは、固定電話と携帯電話の契約数をグラフにしたものです。
固定電話にはISDN、携帯電話にはPHSが含まれています。
1990年代に入っても、固定電話の契約数は増え続け、1998年に「6,284万」でピークを迎えます。
一方、携帯電話は1990年には「86万」しかありませんでしたが、2000年には固定電話を抜き去ります。
つまり、「固定電話」と「携帯電話」が位置を入れ替えたのは2000年でした。
その後も携帯電話は増え続け、2017年には「1億7,278万」に達しています。
なお、固定電話は減り続けていますが、それでも2017年には「2,298万」残っています。だいたい最盛期の3分の1ぐらいは残っていると思えば良いでしょう。
携帯電話につかうお金が固定電話を抜いたのは「2002年」
今度は、もう少し直接的に、1カ月の「通話料」で比べてみましょう。
こちらは総務省の家計調査という統計を使います。
これは、調査した家庭の支出を記録して、その平均値を出すものです。
ここでいう「通話料」は、その電話にかかっている費用のすべてを含みます。
残念ながら、総務省の統計では、1999年までは「固定電話」と「携帯電話」が分かれていませんでした。
つまり、「電話料金」として一律にまとめられていたのです。
携帯電話が分かれていなかった最後の年の「1999年」には、電話料金は「7,556円」でした。
携帯電話が分かれた「2000年」を見ると、固定電話が「5,830円」、携帯電話が「2,383円」でした。
携帯電話の料金が、やけに安いのは、まだ持っている人が少ないため、平均すると下がってしまうためです。
その後、携帯電話の料金は上がり続け、2002年には固定電話の料金を抜き去ります。
そして、2018年には一般的な2人ぐらしの家庭では、携帯電話への支出が1万円を超えるようになりました。
固定電話への支出は減り続け、2018年には2千円を切っています。
21世紀はケータイにお金を使う世紀だった
最後に、調べた結果をまとめてみましょう。
- 携帯電話の台数が固定電話を抜いたのは「2000年」
- 一般的な家庭で、携帯電話への支出が、固定電話の支出よりも大きくなったのは「2002年」
つまり、私達が、携帯電話に対して、お金を使うようになったのは、20世紀から21世紀への変わり目の頃と見て良いでしょう。
おおげさに言えば、「21世紀はケータイにお金を使う世紀」だったのです。
さらに、現在の携帯電話は、スマホが中心となり、インターネットに接続されているのが当たり前になりました。
そして、ゲームや決済サービスの課金も含めて、ますますお金がかかる存在になっています。
老後も含めて、「家計」や「節約」を考えるときに、「携帯電話」は重要な存在です。
年に一度は、自分の契約と使用状況を見直して、お金を使いすぎていないか確認することをおすすめします。