月額980円から始められる、遠く離れた親の電気の使い方を見守るサービス

[2019/7/17 00:00]

家電製品の利用状況をお知らせ

離れて住む親の様子を見守るサービスの一つに、東京電力エナジーパートナーの「遠くても安心プラン」があります。

その特徴は、生活の上で必ず使用する「電気」の使い方を見て、親の状況を判断し、手元のスマートフォンに教えてくれることです。

ただ、「遠くても安心プラン」にはインターネット回線が必要だったり、月々の利用料金が「2,980円」と高めであるという弱点がありました。

2019年になってから、これらの弱点を改善するために、サービスが強化されました。

この記事では、少し使いやすくなった現在の「遠くても安心プラン」のサービス内容を紹介します。なお、金額はすべて税別表記です。

東京電力と契約していなくても使える

まず、「遠くても安心プラン」を利用できる地域から紹介しましょう。

よくある誤解ですが、見守る親の家が「東京電力」と契約している必要はありません。

設置場所は、「沖縄県と離島を除く日本国内」となっています。

つまり、親の家が北海道であっても九州であっても問題ありません。

親の家にインターネット環境が無くても使える

「遠くても安心プラン」の仕組みは、見守る家庭の電気の配電盤に専用のセンサーを設置します。

見守り対象となる家電は、テレビ、IHクッキングヒーター、エアコン、炊飯器、電子レンジ、高熱家電(ケトルなど)、掃除機、洗濯機です。

ただし、どのコンセントを利用しているかということで、電気製品を見分けているので、別の機器と間違う可能性はあります。

「遠くても安心プラン」の利用イメージ 出典:東京電力エナジーパートナー

設置されたセンサーは、無線LANで情報を送り、インターネット回線を経由して、見守る側の人のスマホに情報を送ります。

つまり、設置される家には、インターネット回線と無線LANの環境が必要でした。

2019年の2月から、インターネット環境が無くても、月々900円の料金で、接続できるようになりました。

これで、インターネット環境のない家庭でも、「遠くても安心プラン」が導入しやすくなりました。

機器の買い取りで月額を抑えるプランが登場

これまで、「遠くても安心プラン」は、センサーなどの機器類を、利用者が「レンタル」する形になっていました。

簡単に言うと、初期費用が安くなる代わりに、月々の料金が高くなっていたのです。

2019年7月からは、「レンタル」ではなく、2種類の「買い取り」が選べるようになりました。

こちらは、初期費用が掛かる代わりに、月々の料金が安くなります。

  • レンタル 初期費用3,000円 月額2,980円
  • 買取A 初期費用32,500円 月額1,980円
  • 買取B 初期費用59,800円 月額980円

初期費用を抑えたければ「レンタル」、親の健康状態が良く長く使う可能性が高いなら「買取B」、どちらともいえない場合はバランス型の「買取A」を選べば良いでしょう。

また、「レンタル」の場合は、2年間の最低利用期間があり、それ以前に解約すると9,500円の手数料が掛かります。

2年以内に解約する可能性が高い場合は「買取A」を選ぶと良いでしょう。

詳細については、「遠くても安心プラン」の公式ページで確認してください。

見守りサービスの候補の1つ

「遠くても安心プラン」は、カメラなどを使わず、家電製品の利用状況という間接的な形で、親の状況が分かる点が長所です。

また、実家にインターネット環境が無くても利用できるようになったり、状況に応じて機器のレンタルと買取が選べるようになるなど、使いやすさも増しています。

会社が売る気になって、改善を進めているというのは、サービスを利用するユーザーにとっては安心材料です。

沖縄県と離島が対象外であったり、設置工事が必要というハードルはありますが、見守りをする方法の一つとして候補に入れておきましょう。

導入の前には慎重なヒアリングが必要

最後に、見守りサービスの導入を検討する際の注意事項を挙げておきます。

そもそも、このような「見守りサービス」は、親のプライバシーにある程度踏み込んでしまうシステムです。

いきなりサービスを導入しても、反発されて「そんな金を掛けるぐらいなら、週に一度でも電話をしてれれば良いのに」と言われるのがオチです。

まずは、親の生活状況をよく聞いた上で、どんな見守りが必要であり、どこまでなら情報を子供に見られて良いかを相談してみましょう。

せっかく導入するのであれば、見守る側が「安心」するだけではなく、見守られる側にも「見守られる安心」を感じてもらえるような選択をしましょう。

[シニアガイド編集部]