介護中の生活費が100万円まで借りられる、東京都の融資制度

[2019/8/6 00:00]

介護用にお金が借りられる制度

家族の介護のために「介護休業」をしたけれど、生活資金が足りない場合があります。

そういうときに、真っ先に利用したいのが地方自治体などが用意している、公的な融資(ゆうし)制度です。

ここでは、東京都が用意している「東京都中小企業従業員生活資金融資」を紹介します。

低利で100万円まで借りられる

東京都の介護休業向け融資制度の愛称は「ささえ」と言います。

「ささえ」の特徴をまとめてみましょう。

  • 都内に在住、または在勤中の人が対象
  • 中小企業従業員で、介護休業中、または要介護/要支援認定を受けた三親等以内の親族がいる
  • 融資限度額「100万円」、年利「1.5%」
  • 使用用途は介護費用、介護に必要な物品の購入費用、介護のための交通費などに限定
  • 保証制度を利用することで、保証人が不要となる
  • 介護休業期間は「据置期間」として返済を待ってくれる。12カ月が限度
  • 据置期間経過後5年以内の元利金等月賦返済
  • 100万円借りて、5年で返済する時の、毎月の返済額の目安は「17,309円」

なお、ここで言う中小企業は、小売業であれば「資本金が5千万円以下、または従業員数が50人以下」です。

一般的な企業の場合は「資本金3億円以下、従業員数500人以下」ですから、意外と該当する勤め先が多いでしょう。

中央労働金庫または信用組合が窓口

「ささえ」の申し込みは、中央労働金庫の都内本支店・ローンセンター、または都内信用組合で行ないます。

まず、融資窓口のどこかに電話等で相談し、必要書類を提出します。

窓口の一覧はこちらのページにあります。

「介護休業」のときはお金が足りなくなる

なぜ、「ささえ」のような「介護休業」に合わせた融資制度が用意されているのでしょうか。

「介護休業」は、会社員の権利として用意されている制度で、通算で「93日間」まで休業できます。

1度に93日全部を休む必要はなく、3回まで分割して休業できます。

しかし、介護休業は「休業」ですので、原則として給与が出ません。

その対策として、雇用保険の「介護休業給付金」という制度があります。

この制度を利用することで、「賃金の67%を最大93日分」受給できます。

つまり、給与の3分の2の収入は確保できます。

しかし、「介護休業」の期間中は、親の介護認定や、施設に入れるための準備などで、なにかと出費が多くなります。

お金がかかるときに、収入が減るのですから、融資制度が必要なのです。

東京都は、融資制度を用意することで、介護と仕事を両立する人を応援しているわけです。

医療費や教育費などに使える制度もある

東京都中小企業従業員生活資金融資制度には、「ささえ」以外にも、一般用の融資「さわやか」や、子育て家庭用の融資「すくすく」が用意されています。

「さわやか」は医療費や冠婚葬祭など、「すくすく」は出産費用や教育費が必要な時に利用できます。

これらの公的融資制度は、銀行などの民間の制度に比べて、低利なのが特徴です。

人生の節目で、急にお金が必要になったときは、真っ先に検討してください。

また、東京都以外でも、同じような制度が用意されている都道府県があります。

自分が住んでいる自治体のホームページで、「介護」「融資」などのキーワードで検索してみましょう。

[シニアガイド編集部]