みんなは、どれぐらい保険金が出る生命保険に入ってるのか
みんなはどれぐらいの生命保険に入っているのか
生命保険というのは難しいもので、入っていないと不安ですし、入りすぎていると毎月の保険料が大きな金額になってしまいます。
万が一のときに頼れる金額でありながら、現実的な“ほどの良い”保障に抑えるということが難しいのです。
一つの参考として、世の中の人は、どれぐらいの規模の生命保険に加入しているのか調べてみました。
利用したデータは、公益財団法人 生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」です。
2019年4月から6月にかけて行なわれた面接調査には、全国の18歳~69歳の男女4.014人が回答しています。
なお、ここでいう「生命保険」には、簡易保険や都道府県共済なども含まれています。
入院時にお金が出る保険に入っている人は7割以上
まず、病気やケガなどで入院したときの保障を考えてみましょう。
入院した際に支払われる「疾病入院給付金」が出る生命保険に加入している人は、回答者全体の73%でした。
かなり高い確率で、入院給付金が出る保険に入っていることが分かります。
ガン保険や特約は4割以上の人が入っている
医療保障のある生命保険では、特定の病気にかかったときに保険金が出る「特約」がセットになっています。
例えば、ガンになった場合に保険金が出る「ガン特約」や、ガン/心疾患/脳卒中などの特定の病気になったときに保険金が出る「特定疾病特約」です。
これらは特約の形ではなく、単体の保険になっていることもあります。
特に、「ガン保険」はテレビのCMでご覧になった人も多いでしょう。
このような、保険や特約の加入率を見ると、「ガン保険/特約」が42.6%、「特定疾病保険/特約」が36.1%でした。
だいたい4割程度の人が、特定の病気に対する特約や保険に入っていると思えば良いでしょう。
入院時には1日1万円ぐらいが目安
保険によって支払われる入院給付金の金額は、男性が「10,900円」、女性が「9,100円」でした。
これは、入院1日当たりの金額です。
男性の方が、やや大きくなっていますが、あまり差がありません。
入院給付金の設定は、5千円/1万円/2万円など、キリの良い金額になっていることが多いので、「1万円」に設定している人が多いのでしょう。
死亡時の保険金は男女で差がある
最後に保険の金額つながりということで、「死亡時の保険金」も見てみましょう。
こちらは、男性が「1,866万円」、女性が「801万円」で、2倍以上の差がついています。
ある程度以上の年齢層は、収入を男性に頼ることが多かったので、男性の方が大きい金額となっているのでしょう。
公的な制度で最低限はカバーされている
生命保険などに加入する時に、「これで足りるのだろうか」と不安になったときは、公的な制度のことを思い出すと、歯止めになることがあります。
例えば、病気で入院したときの医療費は、健康保険の高額療養費制度がありますから、1カ月の医療費の上限があ決まっています。
普通の収入であれば、入院して手術をしても、月に8万円ほどで済み、それ以上は掛かりません。あらかじめ、「限度額適用認定証」を取っておけば、差額を立て替える必要もありません。
長期入院になっても、サラリーマンであれば、1年6カ月も、給与の約3分の2にあたる「傷病手当金」が出ます。
また、死亡時に家族に出る「遺族年金」は、厚生年金に加入している場合は、それなりの金額になります。
つまり、何かの災難などに遭った場合でも、健康保険と年金の保険料をきちんと払ってさえいれば、最低限の金額は確保されています。
その上で、それを補う形で生命保険を追加するのだということを意識しましょう。
そうすれば、すべての不安を反映した、大きな金額の保険に入ることを避けられるでしょう。
過剰な金額の保険料は家計を圧迫し、生活費や将来のための貯蓄などに回る金額が減ってしまいます。
生命保険に頼るけれど、頼りすぎない、ほどの良い金額で収めることを考えてください。
すべての生活上の不安を生命保険で解消しようとせずに、生活のリスクを減らすための手段の一つと考えると、生命保険とうまく付き合えるのではないでしょうか。