かんぽ生命、違反契約6千件。最終的には数万人が被害

[2019/10/2 00:00]

法律違反の可能性がある契約が「6千件」

日本郵政は、かんぽ生命の保険の不適切な販売問題について、内部調査の中間報告を公開しました。

調査対象となっている契約は約18万件で、確認が取れたのは、そのうちの6万8千件に留まっています。

この6マン8千件のうち、法律や社内ルールに違反した可能性があるのは「6,327件」でした。

この結果を受けて日本郵政では、従来10月1日としていた、かんぽ生命商品の営業再開を、2020年1月まで延期するとしています。

2万6千人が「詳細な説明」を求めている

今回の中間報告を見ると、かんぽ生命の不適切な販売による契約数は「6千件」どころではなく、もっと多い可能性があります。

生命保険は、一人で複数の契約をしている場合があるため、調査の対象となった約18万件の契約について、実際の契約者はおよそ15万6千人でした。

そのうち、確認が取れた契約者数は5万8千人ですから、調査はまだ3分の1しか終わっていません。

この「5万8千人」のうち、「2万6,036人」が、契約の問題点について、さらに詳細な説明を求めています。

つまり、連絡が取れた人の半分近くは、現在の契約によって不利益などの被害を受けた可能性を自覚していて、詳しい説明を求めているのです。

この中から、法律や社内ルールに違反した契約が、多数出てくる可能性は高いでしょう。

最終的に、「もとの契約に戻す」などの対応を求める人が、数万人の単位になることは間違いありません。

出典:日本郵政

表中の不適切な販売の手口については、「かんぽ生命の加入者が、不都合な状況に突き落とされた5つの手口」を参照してください。

かんぽ生命の契約がないか確認を

この問題について、どのように対応すれば良いのでしょうか。

次のような手順で確認を進めましょう。

  • 家族の中で、かんぽ生命を契約している人がいないか確認する
  • 「会社の方でなにか問題があるらしいから」と言って、契約内容を確認する。例えば、契約日がここ数年以内の場合は不利な契約に移行させられている可能性がある
  • 契約している場合は、日本郵政からの確認のハガキや電話が来ていないか確認する
  • 「現在の契約で問題がない」という意向を示してしまうと、不利な契約のままになってしまうので、「詳細な情報を求める」と回答し、納得できるまで契約内容の情報を求める

現在は、この問題に世間の注目が集まっている状況ですから、不利な契約を撤回させるチャンスです。

安易に「現在の契約で問題がない」と回答してしまうと、あとで不利が判明しても対応してもらえない可能性があります。

契約を確認する作業は、必ず、この調査期間内に行ないましょう。

特に離れて住んでいる高齢の家族の場合は、一度会って、確認をすることをおすすめします。

[シニアガイド編集部]